「環境農業新聞」平成29年5月15日第183号に掲載されました。TTOP(豊受、丹那牛乳、オラッチェパートナーシップ)で地域おこしを

「第6回 日本の農業と食シンポジウム」で登壇発表いただいたJA函南東部組合長で、オラッチェ酪農王国社長の片野敏和さんのメッセージが環境農業新聞 2017年第183号に掲載されました。

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環境農業新聞第183号(4面)
目次

第6回 日本の農業と食シンポジウム

  • JA函南東部の片野敏和組合長 農政について語る
  • 成長ホルモン入り牛肉OKの日本
  • 20年前からオーガニック JA函南東部
  • TTOP(豊受、丹那牛乳、オラッチェパートナーシップ)で地域おこしを

今、農業の六次化とよく言われております。農産物の生産、加工、販売まで行う事を言います。政府は農業を六次化する事により農家所得を増大させ元気な農村が生まれるという訳のわからないことを言っております。アメリカではトランプ氏が大統領になりTPPを脱退し、日本にとってTPPよりもっと農業食料に関して厳しい要求を突きつける2国間協定を結ぶ事を強く要求しており、安倍総理大臣も前のめりの姿勢です。

国会で真摯に議論を

もしトランプ政権の要求を丸のみしたならば日本の農業は破滅しかねません。もっと国会で日本の食料および農業をどうしたいのか真撃に論議してほしいものです。特に日本独特の農村風景を持った条件不利地域は加速度的に消滅していくと思います。その結果、大規模農業だけが生き残り、国民は、そこで生産された生産者の顔の見えない、国際競争力のついた農産物と政府にもてはやされた、農薬まみれの食料と、海外のどの様に作られたか解らない日本では許可されない農薬を使った食料を、値段が安くて良かったねと喜んで食べ、病に冒されて一生を終わるという事になりかねないと思います。決して言いすぎでは無いと考えます。政府は食料の安心、安全を第一に考えて交渉すると申しておりますが、現実はどうなっているのか?

鈴木教授の講演

私の尊敬する東京大学の鈴木宜弘教授が興味深いご講演を聞く機会がありました。その一部をお話しさせていただきます。

農産物の関税撤廃または大幅減税されたとなったら

例えば、牛井が安くなるからいいじゃないかという人がいるけれども、自分の健康、命に関わる問題なのだという事を、もっと我々は考えなければいけない。例えば、牛肉の成長ホルモン。アメリカでは牛の肥育において女性ホルモンのエストロゲン等をかなり投与しているが、発ガン性があるということで、日本国内では使用禁止だが、輸入肉は使用OKである。ある医師の調査ではアメリカ産牛肉から国産の600倍ものエストロゲンが検出されたという。EUでは国内でも使用禁止、輸入もストップである。アメリカ産牛肉をEUが輸入ストップしてから、その後6年間で、なんと乳癌による死亡率が2割くらいから、国によっては4割以上も減少した。具体的には、EUで1989年にアメリカ産牛肉を禁輸してから2006年までに、乳癌死亡率がアイルランドで44.5%減、イングランド、ウエールズ、が34.9%減、スペイン26.8 %減、ノルウェー24.3%減と顕著に減少した。大変な効果が出ている。この様にほかの国はきちんと国内でも危ないから使用を禁止し、輸入も使用禁止している。

成長ホルモン使用

ところが日本では、国内では使用を禁止しているのに、輸入はアメリカが怖いから使用OKしてしまっている。日本の消費者が誤解していたのは、オーストラリア産牛肉はアメリカと違って大丈夫だと思っている人が多いらしいが、関係省庁に確認したら、オーストラリア産牛肉も日本向けの輸出はやっぱり成長ホルモン入りだという。なぜオーストラリアの牛肉が大丈夫と思っていたかというと、オーストラリアは禁止しているEUに対しては成長ホルモンを使っていないという事を証明して、ちゃんとホルモン不使用の牛肉を輸出している。しかし、日本はOKだから、成長ホルモンを使った牛肉を輸出している。このように使い分けをしているとの事だ。牛乳も同じだ。アメリカ産のバター、チーズ、その他乳製品にも入っている。女の子の初潮が早まったり、胸の発達が早かったりするのはこの輸入牛肉等の成長ホルモンの影響の可能性が高いと思います。

また、もっと心配なのが、遺伝子組み換え食品の浸透です。皆さんもよく知っているアメリカモンサント社は、遺伝子組み換え作物の種と強力な除草剤ラウンドアップをセットで、売っている会社であります。この会社の世界戦略は遺伝子組み換えGM表示をさせないことである。日本は曲がりなりにもGMには表示をしなければならない事になっているから、この表示義務がジャマだと。表示できなければ、もう何を食べても解らないのだから、早くそうさせてしまいたい。アメリカの圏内では、表示できないようになっていて、アメリカの各州で表示を義務づける法案の住民投票をしているけれども。モンサント社等が巨額の資金を使い、GM食品がなくなると食品の大幅な値上げになるというキャンペーンを展開し、表示義務の住民投票を否決させている。

官民一体の米国

アメリカの大きな企業の力というのは、まさに官民一体である。モンサント社の社長が、それを認可する食品医薬品局の長官になったり、長官がまた社長になったりしている癒着構造だ。日本人はGM食品を非常に心配しているというと、アメリカ農務省の幹部がこう言ったそうです。『何を言ってるんですか。日本の皆さん。あなたがたが世界で一番GM食品を食べているんですよ』と。実はそうなのです。我々が食べているトウモロコシ、大豆の8割がGMです。これからは、それだけでは済まされない。表示が出来なくなれば、何をたべているのか解らないのだから、小麦もコメも含めてGMになっていくという事です。

日本人は家畜同様

ただ、アメリカの穀物協会の幹部が2008年にインタビューに答えた有名な話があります。『小麦は直接アメリカ人が食べるのでGMにはしない。トウモロコシ、大豆はエサだ、から、GMにして良いのだ。』と発言しましたそう考えると、自分たちが直接食べるものはGMにしないけど、日本人やメキシコ人は家畜と同じような言われ方をしているという側面があるという事である。以前モンサント社の社員食堂では、オーガニック食品が中心でGM食品は出さないという情報も話題になった。

『今だけ、金だけ、自分だけ』が良ければとしづ、経済界、政治家が余りにも多いい事は危険な事です。もっと、鈴木教授の話を皆さんにお伝えしたいのですが、これくらいにしておきます。さて、私どもは60年前から地域酪農の六次化に取り組み、40年前から有機に拘り、20年前からオーガニック農業のテーマパークを造り今日に至っております。
その根底にあるのは、生まれた土地を愛し、頑固なまでに自分たちの生産した物への拘り、その先にいる消費者が信頼してくれているとの思いだと考えます。

健康な人生を

人として生まれ、同じ一生を過ごすのなら、安心できる食材を食べ、健康な人生を過ごしたいと考えますし、また、我々の食材がお役に立てれば幸せだと考えます。豊受自然農様も同じ考えだと思います。ただ、安心に拘った食材はコストがかかります。手聞がかかります。
そのことを御理解し、ただき、健康と引き換えにご負担ください。

豊受自然農との連携

今後、もっと強く豊受自然農様と連携し、TPPの向こうを張って、私どもJA函南東部、丹那牛乳、酪農王国オラッチェとのTPPではなくTTOP-豊受、丹那牛乳、オラッチェパートナーシップを構築し、安心、安全な食材生産、地域おこしをしていければ幸いです

本記事の環境農業新聞は環境農業新聞社の許可を得て転載しています。

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