「環境農業新聞」令和5年10月15日号に、由井寅子名誉会長の「改めて問う!あきたこまちR全量変換R 10の問題点」と第24回JPHMAコングレス開催報告が5ページにわたり特集掲載されました。

【環境農業新聞社の許可を得て転載】掲載された全文です(一部修正しております)記事文章より

目次

改めて問う あきたこまちR 全量転換 10の問題点

「あきたこまち」に国が育成したカドミウム低吸収品種「コシヒカリ環1号」を交配し、得られた「あきたこまちR」に全量転換するという佐竹秋田県知事が方針を打ち出した。これに対して様々な意見が飛び交っている。佐竹知事は慎重な姿勢をみせていたが、一転して全面的に切り替える方針を表明。本当に安全なのか、消費者の健康に問題ないのかという議論が噴出している。宮城県では最初に動いたが取り止めた。兵庫県の生活協同組合では反対声明を出している。輸出振興というが、オーガニック志向の海外から一部の遺伝子を破壊する放射線育種が受け入れられるのかも疑問である。このことを知らない方も多いのも事実。あなたは賛成?反対?どちらでしょうか。健康を重視し、自然農を推進している日本豊受自然の由井寅子代表は問題点10を挙げて異を唱えている。

秋田県では、2025年より「あきたこまち」を放射線育種米である「あきたこまちR」に全量転換しようとしています。それに対し 由井寅子代表が10の問題点をあげ解説し、解決策も提案した記事が環境農業新聞令和5年9月号に掲載されました。
再度、要点+補足して説明します。

問題点1|イネの免疫低下と栄養不足

「あきたこまちR」は、重イオンビーム照射による育種米(コシヒカリ環1号)とあきたこまちの交配による新品種でコメのOsNramp5(オー・エス・エヌ・ランプ・ファイブ)遺伝子が破壊されているため、カドミウムが吸収されないだけでなく、必須微量ミネラルのマンガンが十分吸収できなくなる致命的な欠陥を抱えています

実際、宮城県では「ひとめぼれ」を「コシヒカリ環1号」交配種への採用に最初に動いていましたが、栽培試験で収量が上がらず取り止めた経緯があります。切り替え検討の際もリスクを想定して一部導入から検討していました。
またマンガン欠乏により、ごま葉枯病等が出やすい欠点もあります。

一方、マンガンが不足した食べものを食べ続けると、不妊、生殖機能低下、骨格異常など様々な体調不良につながります。
マンガンの1日の目安量は、男性で4mgですが、そのうち白米(ごはん)からの摂取量は50%ほどになります(一杯150g×4杯÷100g×0.35mg=2.1mg)。
「白米に含まれるマンガンは元々少ないから影響はない」と主張されている人がいますが間違いです。主食であるごはんがマンガン欠乏米になることは、人口減少に繋がる大問題です。

問題点2|日本中のコメがマンガン欠乏米になる

「あきたこまちR」だけでなく、全国のコメの主要銘柄300~500種(もち米や酒米を含む場合は500種類)の202品種で既にコシヒカリ環1号との交配種が水面下で開発され、日本全国のコメの主要品種をマンガン欠乏米に切り替える計画が進んでいることがわかりました。

問題点3|汚染地域はそれほど多くない

カドミウム基準値である0.4ppmを超えるお米は秋田県で年約400トン発生しますが、これは秋田県の生産量の0.1%です。さらに全国では約1000トン発生しますがこれ0.01%です。汚染地区だけ低カドミウム吸収米に切り替えれば済むはずなのに、全量をマンガン欠乏米に転換するのはやり過ぎではないでしょうか。

問題点4|農家が自家採種できない

コメのOsNramp5遺伝子を重イオンビームによって破壊されたコメは、登録品種として品種登録されているため、2022年から施行された改正種苗法によって、農家が自由に自家採種し種もみを備蓄する権利が、遂に主食のコメでも奪われる時代が到来したのかもしれず、これが大問題です。しかも登録品種を、許諾なく自家採種したら農業法人では最大3億円の罰金と懲役刑にも問われます。
もし、コメ農家が種を自家採種し、次期作の種もみを備蓄する権利を奪われてしまったら、食料自給率が低い日本で、世界的な食料危機に襲われれば、多くの餓死者すら出しかねません。
国家の食料安全保障の根幹にかかわる問題ではないでしょうか。
再来年からは登録品種の「あきたこまちR」の種籾しか供給されないことになるので、秋田の農家の皆さまには一般品種・在来種の「あきたこまち」の種籾を備蓄し、毎年一定量作付けして、備える必要があると思います。

問題点5|重イオンビームが使われている

放射線育種は、60年前からある技術で安全が確認されているとか自然の変異と同じであると主張される人がいますが、これは間違いです。

あきたこまちRは、従来のガンマ線よりもはるかに強力な重イオンビームを使って遺伝子を破壊させて得られたコシヒカリ環1号と掛け合わせて作られた品種です。

ガンマ線と重イオンビームでは遺伝子の破壊力が桁違いに異なります。一緒に議論することはできません。重イオンビームは染色体にクラスター切断を誘発し複数のDNA断片を形成し、逆位や転座、大規模な欠失が生じやすく、自然の変異とはかけ離れています。

またそれによって、異常タンパク質が作られる可能性も高くなり、アレルギーなどが生じるリスクも高くなると河田昌東先生は警告しています。
安全と言い切るためには少なくとも「コシヒカリ環1号」や「あきたこまちR」の全ゲノム解析が行われ、遺伝子のフレームシフトや大きな変異が起きていないことを証明する必要があります。

問題点6|交雑 による異常遺伝子の汚染が広がる

コメのOsNramp5遺伝子を破壊された「あきたこまちR」が実際に栽培されると、交雑によって異常遺伝子の汚染が広がり、将来正常な遺伝子のコメが失われる可能性も考えられます。これは「あきたこまちR」以外のコメの農家にとって死活問題です。

問題点7|選択権が失われる

品種名の表示義務がないため「あきたこまちR」に切り替えても、銘柄名「あきたこまち」として販売できてしまいます。これは明らかに食品表示システムの欠陥です。消費者としてマンガン欠乏米なのかそうでないのかを知ることすらできず、購入の際に選択することもできません。

問題点8|あきたこまちRは、EU有機原則ではORGANICにならないのに、日本ではJAS有機認定される方向にある

「EUなどにも有機農産物として輸出できる」と主張されている人がいますがこれは間違いです。欧州基準ではORGANICと認められない 放射線・重イオンビームを照射しての突然変異を利用し品種改良した「コシヒカリ環1号」及びこれと交配させて開発した「あきたこまちR」などの重イオンビーム育種米は、たとえ無農薬で作ってもEUではORGANICと認められません。

またEUでは安全性に疑問が持たれている放射線育種の品種を日本ではJAS有機認定しようとする動きがあります。

秋田の有機農家に聞きましたら、認証団体から重イオンビーム育種米の「あきたこまちR」に全量転換してもJAS有機では有機・オーガニックと認められるから心配ないといった話もされているようです。

日本では有機・オーガニックと表示されていても、タネは放射線育種米でよい基準に変えようとしているのでしょうか。

ゲノム編集を有機JASとして認めるというような検討が過去なされたこともあると聞きます。日本の有機JASはEUに代表される世界のORGANIC基準と似て非なるものとなってしまってもよいのでしょうか。

問題点9|あきたこまちRを全量転換してもカドミウム対策としては不十分である

日本は火山国でもともと土壌のカドミウム値は高く、鉱山開発などで土壌が広くカドミウム汚染され長年放置されてきました。そのため食品の基準値を設定して人体のカドミウム蓄積を抑える受身の対策だけでは不十分です。カドミウムはコメ以外からもタバコやナッツ類、魚介類などからも摂取され、蓄積されます。

積極的な解決策としては、カドミウムのデトックス対策があります。お奨めは重金属や有害物質の体外への排出に秀でた欧州発祥の自然療法ホメオパシー(同種療法)の活用です。
「その症状を起こすものはその症状を取っていく」という同種の原理に基づき、カドミウムの排出にはカドミウムを希釈振盪して天文学的に薄めたレメディーを使うのが有効です。

またホメオパシーにプラスして、食事やインナーチャイルド癒しを含む「ZENホメオパシー」がカドミウム対策としては必要であると考えています。
「ZENホメオパシー」では、カドミウムに限らず、水銀や農薬、ワクチンやクスリの害など様々なデトックスに有効です。ぜひ試してみてください。

カドミウムの霊性的役割(私の導師からの情報)

カドミウムは地球にとって、地球の働きをよくするビタミン剤的なもの、頭の回転がよくなるようなもの。カドミウムによって地球の意識がはっきりしてくる。よい考えが出るようになる。カドミウムは地球にいい仕事をしてもらいたいと思っている。

一方人間に対しては、地球を悩ます存在だと思っていて、地球を汚したり壊したりする人間の活動を制限させたいと思っている。

これがカドミウムの意志であり、微量のカドミウムは、人間の特別扱いされたい意識(少し悪いことしても特別に許してくれよ)を弱める働きがある。なぜなら、その意識が金儲けに走り、地球を汚したり破壊することに繋がっているからである。

だから微量のカドミウムは人間の精神を健全に保つ役割もある。そして「悪いことしても特別に許される」という思いの強い人は、カドミウムの悪影響を受けやすく、蓄積しやすいが、「悪いことしても特別に許される」という思いの弱い人は、カドミウムの悪影響をあまり受けないし、体に溜まりにくい。

米のカドミウムの基準値は0.4ppmだが、カドミウムが0.5ppmぐらいあると「悪いことしても特別に許される」という意識があぶり出されるので病気になったりする。「悪いことしても特別に許される」という意識を治せば病気も治るが、意識を変えないと病気も治らない。カドミウムがせっかく意識を改めさせようとしているのに、それに逆らうと病気になるということ。改めようとしない場合は、カドミウムの濃度が0.3ppmでも病気になるだろう。

人体に蓄積したカドミウムは、御古菌で減らすことができる。一つは御古菌の働きで原子変換に類似した作用で全く別の物質に変換させて無毒化する。もう一つは、御古菌によって免疫が高まり、それによってカドミウムの排出を促す働きがある。

ホメオパシーで対処する場合は、カドミウムのレメディー及び腎臓サポートレメディーをとることで、カドミウムは徐々に減っていく(徐々におしっこで出して行く)。

放射線育種米にするとカドミウムが吸収されなくなるということだが、実際は、吸収されており、根と土壌の共同作業で、カドミウムがビスマス(蒼鉛:猛毒)に原子変換している。ビスマスはカドミウムよりもかなり毒性が強いので、カドミウム米よりも人体に危険な米になっていると言える。ただし吸収されるカドミウムの量は通常のイネの6割程度である。

カドミウムをビスマスに元素転換しているのは、イネとしては、重イオンビームを当てられて恨みがある。それで毒性のあるビスマスに変えている部分もあるが、カドミウムをビスマスに原子変換しているのは、お米自身の働きや考えというよりも、もっと大きな自然界の働きによって生じていること。自然全体が重イオンビーム育種米を作ることの責任を人間にとらせようとしているということ。

問題点10|生命への冒涜

遺伝子というのは、膨大な時間をかけて環境と相互作用した結果であり、その膨大な歴史であり、生命そのものです。その生命そのものである遺伝子を重イオンビームやゲノム編集で破壊したり、遺伝子組み換えで、切ったり貼ったり、傷つけたりすることは、その生命に対する冒涜です。命の尊厳を踏みにじることです。

GABAを抑制する機能を欠失させたゲノム編集ミニトマトや中玉トマト、成長抑制の遺伝子を欠失させたゲノム編集マッチョマダイ、食欲を抑制する遺伝子を欠失させたゲノム編集太ったトラフグ、熟する遺伝子を欠失させたゲノム編集メロン、虫たちが食べると死んでしまうBt毒素を合成する遺伝子を加えたトウモロコシやコットンの開発など、遺伝子操作をされる生物の気持ちになればこのような残酷なことはできないと思います。

遺伝子は生命体が何百万年もかけて環境に適応するために進化してきたもので、それだけでパーフェクトなものです。
それにも関わらず人間ごときが目先の利便性に心を奪われ、遺伝子の一部を破壊したり、他の生命体の遺伝子の一部を合成したりして新生物をつくろうなどという研究開発の方向性自体が大自然を冒涜する大変愚かな行為です。

科学者の皆様はこの点を是非一度立ち止まって深く考え猛省していただきたい。

ゲノム編集にしろ、遺伝子組み換えにしろ、重イオンビーム照射にしろ、なぜ植物たちの遺伝子を破壊させる方向に行こうとしてしまうのか。
なぜ化学農薬や化学肥料を大量に作物に使う農業になってしまうのか。
なぜ農薬、化学肥料をまかなければ育たないような作物にしてしまったのか。
種の劣化、土地の劣化、土壌菌の劣化、作物の病虫害への耐久力の劣化、栄養の劣化は何が引き起こしたのか?

それは人間の浅はかで短絡的な思考、貪り、我欲、お金崇拝、怖れ、怒り、悲しみによって、自然との共存共栄が出来なくなった結果ではないでしょうか。
この部分を国民一人ひとりが深く考え、しっかりと自分たちが犯した間違いに気づき、自然に回帰し、自然の摂理に合った本来の形に戻していく必要があります。
そのためにも、日本人が、見ザル、言わザル、聞かザルの同調圧力に弱い猿ではなく、インドのように、見るゾウ、言うゾウ、聞くゾウと象のように地に足を付けて何が真実かを見極め、よく聞いて声を上げ、立ち上がっていかなければなければ食い物にされる時代にいるのだと思います。

無知は罪なり。今一度、人間は大いなる自然に、ご神仏様に生かされている理を知り、謙虚に自然と共に人々と虫と共に自然に住まう神仏と共に生きていく事をせねば、世界は崩壊するだろうと懸念します。

なお、この問題は、カドミウム公害、遺伝子組み換えなど人工的な遺伝子操作の問題、チェルノブリはじめ放射能汚染問題などにも長年取り組んでこられた分子生物学者の河田昌東さんに、6月のシンポジウムと10月のJPHMAコングレスでも詳しくお話しいただきました。こちらの講演は、とようけTV、ニコニコ動画「Torachannel」でアーカイブ動画を公開しているので是非ご覧ください。

分子生物学者 河田昌東氏からのメッセージ

分子生物学者 河田昌東氏

遺伝子操作は原子力以上に私たちの未来に大きな影響を与えるでしょう。
私たちは今、何をすべきか真摯に考えなければなりません。

今、世界は大きく変わろうとしています。世界の経済成長はこれまで主に石油化学を主とした様々な物質(プラスチックなど)の製品を手段としてきましたが、世界の資本家たちは今後は生命操作を経済成長の手立てにしようとしています。 放射線による品種改良はこれまでも使われてきましたが、今後はゲノム編集や合成生物学、フードテックなどがAIとともに資本主義の手段になるでしょう。その結果何がもたらされるか、誰もわかりません。

ゲノム編集の現況は53年前に日本で初めて商業用原発が稼働した時によく似ています。

核兵器はだめだが平和利用は未来のエネルギー、とマスコミも湧き立ったのです。しかし、当時から一部の人たちは「事故が起きたらどうする」「放射性廃棄物はどうする」と指摘していました。しかし、政府や原子力の専門家たちは「事故は100万年に一回しか起きない」

「廃棄物はそのうち何とかなる」と答えました。それから50年以上たった今、何一つ解決できていません。遺伝子操作は原子力以上に私たちの未来に大きな影響を与えるでしょう。

私たちは今、何をすべきか真摯に考えなければなりません。

地元からの発信が大事

秋田県出身の橋本孝子ホメオパスは父が秋田県で無農薬で無農薬にんにくを栽培しており、「あきたこまちR」の問題に関しては、豊受自然農のツイッター動画から、秋田県で日本を代表するお米「あきたこまち」を放射線育種米である「あきたこまちR」に2025年から全量転換の計画が進んでいることを知って驚き、秋田県で自然型農業に取り組むグループの皆さんと連絡をとり、それがあきたこまちRの計画延期および見直しへの住民有志による八千名の署名となり秋田県庁に提出された。JPHMAコングレスでは地域で声を上げていく重要性を訴えた。

ニコ生ライブゲスト出演

下記のニコ生ライブにゲスト出演させていただきました。「あきたこまちR全量転換 8つの問題点」について解説しました。

井上正康LIVE適塾ー世相解剖学ー
とようけチャンネル(YouTube)河田昌東氏
「放射線照射、ゲノム編集による品種改良 何が問題か」
由井寅子代表
「日本の米が本当に危ない…!!」

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