種をとり、土と虫と鳥と人を慈しみ、環境を大事にする

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日本復興の願いを込めて

そもそもの始まりは十五年以上前、コンビニ弁当ばかりを食べている社員の体を心配して、自然農で野菜を作り、社員食堂を作ったことでした。そして、東日本大震災の時には、私たちのつくった野菜や日用品を持って被災地へ支援に行きました。わずか十分で野菜と水が無くなってしまうこととなり、あらためて「食」と「水」というものの重要さを痛感、日本復興の願いを込め、事業として本格的に農業を始めようと決意しました。

今の農業では、箱にうまく収まるよう野菜は均一なサイズに育てようとします。しかし、大事なのはうまく箱に入るかではなく、安心、安全で、しっかり栄養があることです。食べたものが体を作るからです。

今の日本人の健康が損なわれている大元は、畑の土が穢れたからです。その結果、私たちの腸が穢れ、病気になっています。土が穢れてしまったのは、戦後、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の政策によって、日本の自然農が潰され、農薬や化学肥料を大量に使う「慣行農業」に切り替えられてしまったからです。

「自然に生かされている理ことわりを知り、土と自然に畏敬と感謝の念をもって、人々の幸せのために作物を育てる」という、一番大切な日本人の心を取り戻すことで、日本の農業を復興したい。ひいては日本を復興したい。これが私たちの願いです。

ですから、私たちは無農薬・無化学肥料・自家採種にこだわり、日本人の心と結びついた本当の「自然農」に取り組んでいます。

自然農は、慣行農業より五、六倍手間暇がかかり、植物の生長は遅く、収穫された野菜の見てくれは悪くなります。しかし、一つひとつの野菜が個性的で力強い命がみなぎっています。だから長持ちしますし、野菜本来の味がします。

世界に発信すべき日本の農業

令和の時代、やはり日本が元気になっていくためには、本来の日本へと戻っていくべきではないでしょうか。元の日本「江戸に学べ」です。

そのためには、もう一度、農業に立ち戻るべきではないかと思っています。内需だけで人々が幸せに暮らしていた江戸時代は、衣食住のすべてを農業から生み出していました。私たちの会社でも、主食の米や麦、大豆、野菜はもちろん、味噌、豆腐、さまざまな飲み物、化粧品、洗剤、生活用品等を農業によって生み出しています。

その元となる元気な作物を作る秘訣は、自然農と土や作物への感謝と崇敬や思いやりにあります。元気な日本にする秘訣も、人々への感謝と敬意、思いやりにあります。

瓊瓊杵命(ニニギノミコト)がもたらした稲作。昔は田畑も信仰の対象であり、神聖な場所だったのではないかと思います。実際、神社は農業と共に栄えましたし、神社に伝わる神事も、農業に関わるものがほとんどです。

瓊瓊杵命は、実りの豊かさだけではなく、心と魂の豊かさをもった国にするために、稲穂をもってこの日本に農業をもたらしたのではないかと思います。

だからこそ日本は今、神代の時代から伝わる農業に取り組み、世界へと発信していくときではないでしょうか。それが感謝や崇敬と共にある自然農です。生かされている喜びを感じることができるような農業を取り戻したいと思っています。

母性を大切にする日本豊受自然農

本当の豊かさとは何でしょうか? 女性が家にいて、愛のある作物と、愛情たっぷりの食事があること。そのように私は思います。

食事を支えているものは、穀物や野菜などの食材です。美味しい料理を食べさせたいと思う以前に、安心・安全なものを食べさせたいというのは、当たり前の大前提としてあります。

また、作物や土の微生物も生き物です。心も魂もあります。感謝の気持ち、思いやり、成長を見守る温かい心、愛、母性は、作物や土の微生物にも通じます。どういう思いで作るか、それがとても大事なのです。

赤ちゃんが生まれ、赤ちゃんを育てる中で母性が発達するように、種を蒔いて、それが発芽したとき、我が子が生まれたかのように喜び、慈しみ、元気に育つことを願い、生育を見守る中で母性は育っていきます。愛のある作物を食べると、食べた人の中で愛が増えていきます。愛が増えると周りの人々を幸せにしていきます。そうしてどんどん愛が増え、幸せが広がっていきます。

そんな食べた人を幸せにするような作物、豊かな作物を提供したくて、日本豊受自然農では母性を大事にしています。

豊受大神への思い

現代、食べることへの感謝が減ってしまった。食事を作ることの苦労が減ったこともあるでしょう。食事が軽んじられる傾向にあります。
 

炊きたてのご飯、温かい味噌汁が、私にとっての母性の象徴です。

女性というものは古来よりかまどで火をおこし、お米を炊いて、温かい食事を作り、そこに愛情を注いできたのです。その愛情たっぷりの食事を食べることで、人の体と心と魂は満たされ、清く正しく生きる力を得ていたのです。

五穀豊穣、食事の神、豊受大神は、私にとって母性そのものなのです。命が輝くような農業をし、母性の復活を願うから、『日本豊受自然農』という名前にしました。神さまの名に恥じない農業をやろうとこれからも日々精進して参ります。

この私の気持ちに賛同し、愛の詰まったこんなに立派な作物を作ってくれている豊受のスタッフ、その採れたものを愛を込めて加工してくれるスタッフに心から感謝申し上げます。そして豊受大神に心から感謝申し上げます。

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