一週間後にせまった「第14回 日本の農業と食を考えるシンポジウム」
お申込みはお済みでしょうか?
当日のゲストスピーカーとしてお越しいただく、世界の食問題研究家/OKシード事務局長の印鑰智哉さんから、講演に先立ちメッセージをいただきましたのでご紹介させていただきます。
発表テーマ「食料危機と工業型農業からどう抜け出すか?世界の実践から」
今回話したいことは、「食料危機」です。
食料価格が高騰し、アフリカなどでは飢餓が拡大しています。食料自給率の低い日本にとっても大問題。
しかし、なぜこの「食料危機」が生み出されたのか、しっかり見ないと大変なことになると思います。
本来、地域で食をしっかり作っていればこんな危機など生まれなかったのです。それを化学肥料がなければ農業できないような仕組みにして、伝統的な作物を捨てさせて、グローバルな食の流通に依存する仕組みが作られてしまった。誰がそれを仕切っているのか?
みんなパニックになって、食を確保することに必死になります。その中で、あたかもこの問題を作り出した真犯人が救世主のような顔をし出しています。
少し前までは、農薬は世界的に規制の方向に向かい、有機農業は毎年、急激に拡大していきました。でも、この危機が起きると、みんなパニックになって気持ちが萎縮してしまいます。オーガニック無償給食実現の運動は今、日本全国に広がっていますが、「食料危機だからオーガニックは棚上げしてまずは食材の確保」と思ってしまうかもしれません。
でも、これはまったく真犯人の思うつぼです。彼らはさらに堂々と農薬を売り、化学肥料を売るでしょう。そして、食料危機で穀物メジャーは史上最大の利益を上げることになるでしょう。
たとえばがんを生むモンサントの農薬ラウンドアップは今年いっぱいでEUでは終わりになるはずでした。でもまた延期されました。
遺伝子組み換え作物は誰も見向きもしなくなってきたのに、今度はその新しいバージョンの「ゲノム編集」作物が市場に出てきました。さらに遺伝子操作技術をフルに使った細胞培養肉や合成生物による食がどんどん出てきています。
食料危機だから受け入れるしかない? いや、とんでもないです。実はこうした動きが現在の食料危機を作り出す主要因を作り出しているのですから。
それならどうしたらいいか?
化学肥料は今後急速に入手困難になっていきます。化学肥料への依存を急速に下げ、地域で食を回せるようにすること、これは「食料危機」に対して本当の意味でのレシピ、解決策になります。それは実現可能であり、今すぐ始められるものです。
ぜひ、そんなお話しができればと思います。
世界の大きな思惑と流れを受けて、食料不足は人災として引き起こされているのでしょう。ここを乗り切って、命をつなぐためのヒントがさまざまな事例をもとに紹介されるのが今回のシンポジウム。特設サイト内には、そのほかの講演者の方々とテーマも続々と更新されています。
ぜひご覧ください!