【全文公開】農業法人代表 由井寅子がパブコメに意見提出 農林水産省「みどりの食料システム戦略」中間取りまとめ

受付番号550003303000001119
提出日時2021年4月10日20時0分
案件番号550003303
案件名「みどりの食料システム戦略」中間取りまとめについての意見・情報の募集について
所管省庁・部局名等農林水産省大臣官房政策課環境政策室 電話:03-3502-8111(内線3292)
郵便番号158-0096
住所東京都世田谷区玉川台2丁目2の3 農業法人 日本豊受自然農株式会社
氏名由井 寅子
連絡先電話番号03-5797-3371
目次

提出意見

日本豊受自然農代表の由井寅子と申します、静岡県伊豆と北海道洞爺で300種の在来種を自家採種を中心に自然型で栽培、六次産業化で発酵食品や自然化粧品などを製造、オーガニックの農場和食レストランを東京世田谷で展開する農業法人です。

はじめに

農林水産省が中心となり「食料・農林水産業の生産性向上と持続性の両立をイノベーションで実現」を目指す「みどりの食料システム戦略」(以降「グリーン戦略」と記)の立案は画期的な動き。子孫達の世代が健康で幸せに生きられる未来を残す為にもぜひ実効性ある戦略にまとめあげてください

「中間取りまとめ」を拝見 ! 農林省推進のグリーン戦略を網羅する報告で、2050年 有機農場100万ha(全耕作面積25%)の目標設定など一歩踏みこんだ画期的な提言と思います

戦後の食料システム戦略は命や環境より経済を優先してきました。このトレンドを反転させる画期的なグリーン戦略に更に魂を入れていく一助になればと思い僭越ですが農家の立場からコメントします

グリーン戦略は国家戦略 農水単独では無理

隣国中国の例でもオーガニック農業への転換はトップの習近平自身が決心し実践。今回の中間とりまとめは野上農相を長に農水の幹部の皆様が総出で衆知を集めてまとめあげ、一省庁だけでここまでをまとめあげることはすごいことだと思います。ただグリーン戦略は本来は総理自身がリーダーシップをとって関係省庁とも連携し国家戦略として国民の声を聞き、衆知を集め練り上げていくべきもの。予定されている衆議院選挙などでも各党の政策課題に上げてもらうなど、グリーン戦略への国民、政治家双方の関心を高めてもらう取り組みなども含め国をあげて推進してく必要があると感じます

林産物を例に 日本はどこでボタンを掛け違えたか

江戸時代日本は100%木材を自給。環境共生型の森林政策を実現していました。転機は1948年。商社経由でフィリピンから安いラワン材の輸入が開始され、1955年から林産物輸入自由化が始まり、国内で供給余力があるにも関わらず価格が優先され、以降は外国産の林産物が大量に輸入されるようになり2002年には木材自給率が19%まで低下。日本が輸入木材を大量に求めた結果、東南アジアの熱帯雨林が大規模伐採され地球環境の大きな破壊につながりました。一方で国内山林の立木価格は採算がとれないまでに下がり、補助金なしでは国内林業が立ち行かなくなり、国土の過半を占める森林が荒廃。もし当時の政権が経済より環境を重視し自由貿易より国内の林産物の自給に力を入れていれば、世界の森林破壊、日本の林業崩壊、森林がここまで荒れることもなかったかも。お金より命や食の安全、環境を大事に考えると、経済を優先するTPP、RCEPなどの自由貿易協定より、国内の第一次産業を保護する貿易政策を優先する転機にあると考えます

食のケース

江戸時代、すべてオーガニックで日本の食料自給率は100%でした。転機は戦後のGHQによる政策。食糧自給する余力があったにも関わらず安ければ海外から輸入する自由貿易が推進され、結果食料自給率は38%まで低下。採算がとれなくなったことから多くの農家が農業をやめ、農業人口も1%台にまで下がり、地方の山村では過疎や限界集落化、耕作放棄が進みました

今の日本は食料安全保障の観点では危惧すべき事態となっています。歴史を学べば有史以来何度も火山の大きな噴火が世界で大飢饉の原因になっています。それはいつ起こるかわかりません。世界同時の食料不足・飢饉が起これば多くの国民の餓死が避けられない状況です。食料そのものがなくなればいくらお金を積んでも食料は買えないという事態さへ想定されます。戦後の混乱期対応を誤った国には多くの餓死者を出した国すらあります。わが国の諸先輩たちは戦後の食料危機を当時は全国の空き地という空き地を農地に活用し様々な作物の作物を植え、特にサツマイモを育て、日本は1人も餓死者を出さずにこの危機を乗り越えました。しかし今回の種苗法改正では、食料安全保障、国民の生命よりバイオテック企業など育種権者の権利を一方的に強化され、農家が種苗を自由に自家採種・自家増殖する権利が制限されました。種苗を農家が備蓄しなくなれば空き地があっても飢饉時に種苗が入手できず緊急の食料増産すらできません。改正種苗法のこの面での不備の見直しをぜひともお願いします

又、食料自給率向上が緊要な策に関わらず実効的な対策が打ち出せないことも問題です。先の菅総理の政方針演説では農業関連では農産物輸出拡大で日本の農林水産業を強化する施策が強調され食の安全など食糧安全保障などのグリーン戦略は触れられていません。既に海外裕福層は食の安全重視でオーガニック食志向。オーガニック農業推進が遅れている日本の農産物では既に輸出で勝負できる時代ではなく時代錯誤の感があります。さらにゲノム編集種子や作物を日本政府が安全で表示や届出も不要と一昨年決定しましたがEUでは人体や生態系への安全性が懸念され栽培、食品の流通が規制され表示でのトレーサビリティが厳しく要求されます。日本はゲノム編集の高ギャバトマトがこの4月から国内5000名に無償配布されようとしています。一般のトマトと交配が起これば取り返しのつかない遺伝子汚染を引き起こします。安全性が定かでない食を許可することは国民をモルモットにするものです。表示もなくトレーサビリティを確保せず無償配布されると、日本はゲノム編集汚染国とされEUなどへの農産物輸出はできなくなります。すぐに無償廃止を差し止めないとは取り返しがつきません。ゲノム編集種子、食品の政策を至急見直すべきです

今回の新型コロナ外食規制でコメ価格が暴落、国内コメ農家が廃業まで考えるほどの深刻な事態ですが政府は更なる減反をコメ農家に強いる一方、海外からの輸入米を減らさない。政府の備蓄米が100万トンほどしかないと聞きます。今こそ余剰米をコロナパンデミックの中、食料危機に備え備蓄米として買い上げ、米価を安定させコロナ下の農家の経営を支援し、農家にコメづくりを続けてもらうよう一石三鳥の政策が必要です。もしTPPなどによりグローバル資本からこのような日本の主権が制約されていているなら即刻TPPやRCEPなどからは脱退してまず国民の利益や食料安全保障を重視した政策に転換すべきです

もし私が総理大臣であったら農業を必須科目に ! 徴農制を実施します

また食料自給を考える上で一次産業の担い手不足の問題は日本の食料自給の更なる低下を招く緊急の課題です。就農者を増やすには欧米で行われているような個別農家への収入の直接保障や農業に担い手を国会公務員として雇用するなど抜本的な対策の実施が必要です

食料安全保障を高める為に、これからの子供たちは全員が農家の資格が持てるように農業を小中高の必修科目とします。幼稚園・保育園から作物をタネや苗から育てる農業を教えます。大豆や米、麦を学校でつくれば日本食に欠かせない味噌や醤油づくりの体験も授業に取り入れます。そこから日本食に欠かせない味噌汁づくりも学校で教えていく。こうやって日本食に親しんでいく。これが食育です。あわせて保育園、幼稚園、小中高校の給食に農薬、化学肥料を使わないオーガニックの地元の農家の食材を取り入れていく。こうすることで、子供も健康になります。麦や五穀をまぜ酵素玄米にしたりするとコメは世界に誇れる健康食であります。コメを主食とする日本食に子供の頃から親しむことで食のグリーン戦略・食育に寄与します。子供が体験をすれば、親も一緒に農業を学びます。こういった取り組みを続けていけば2050年には親の世代も含め国民の過半数が農業教育を受け農家の技術を持ち、国民全員が食の自給を担う農家へ変身していけます

さらに徴兵制でなく徴農制を導入して就職する前には2年間の農役の導入を提案します。林業や水産行の役を選択できるようにしてもよいかもしれません

別の危機は、耕作放棄地がどんどん広がっていることです。先祖の方々が汗と血の滲むような努力で広げてきた農地が失われることは悲しいですね。何年も耕作放棄されると元に戻せないほど荒れてしまい農地に戻すことは至難の技です。明治時代は屯田兵がいました。ならば国防事業として実践することを提案します。災害派遣では自衛隊が災害支援で大きな役割を果たしています。耕作放棄地復興へプロの食糧自給の国防隊をつくり国家公務員として土木機械を投入して耕作放棄地の復興事業を行うような施策が有効でしょうか。先の戦争中はゴルフ場が閉鎖され農地転換されました。パンデミック特措法ではありませんが食料危機発生時には神奈川県なみ27万haを占める全国のゴルフ場を接収し国民の生命を守るために。これらの土地をオーガニックな農場へ転換してくような施策なども歴史に学び考えておくことが必要かもしれません

大豆を例に

大豆は日本由来の品種です。自給をしてきた大豆が安い輸入に変わったのは戦後に入ってからです。今や93%を輸入し、内99%は100年前までは大豆が栽培されていなかった南北アメリカからの輸入です

1919年から北米で大豆の大規模栽培が始まりましたが、南米では日本政府援助や国内商社により、小規模・個人農家が農地を奪われ、アマゾンなどの熱帯雨林が焼かれ、広大な農地が造成され大豆の大規模栽培が始まりました。1990年代からはこれらの農場でモンサント社が開発したGM大豆が栽培されるようになり、セットで使われるグリホサートを主成分とする除草剤ラウンドアップや、化学肥料を大量に使う農業へ移行していきました。土が死に農薬散布による地域住民の健康被害、地下水汚染が起こり、生物多様性も危機に瀕しています。輸入の大豆製品は食用油や飼料用、大豆抽出物など表示義務がないので、知らずしらず日本人はGM大豆を大量に食べさせられています。大豆には除草剤成分グリホサートが残留している為、様々な病気につながっています。ドキュメンタリー映画「遺伝子組み換えルーレット」を制作したジェフリー・スミス監督の調査では、グリホサートを含むGM作物由来の食べ物をやめオーガニックな食に変えることで、体の不調や病気が劇的に改善するという調査結果も発表されています

このように日本人が大豆を自給せずに海外からの輸入に依存することで国内外でこのように悲劇が起きています。まず日本の消費者が現実を知り消費行動を改めるための教育が大事です。欧米の消費者もこの構造を知ることで市場がオーガニックに転換しグリーン戦略の推進要因となりました。一方で政府としても倫理としてグリーン戦略推進の視点から海外での環境破壊の問題、健康被害の問題へも対処すべきと考えます

食の欧米化の影響

キッチンカーなどGHQの政策の影響もありますが、コメ、麦、雑穀などを食べる量が減り、小麦、肉、乳製品、油、砂糖、スナック菓子などを日本人が食べるようになり、その食を海外に依存したことで同じような問題を引きこしています。牛肉を例にあげると、米州からの牛肉輸入や国産牛肉の輸入飼料では大量のコーンを消費します。元来牛は草を食べる動物。穀類は食べません。さらにグリホサートに汚染され、Bt毒素入りのGMコーンを食べさせられますと、不自然な食べ物で消化器系がやられ、更に抗生物質、ホルモン剤漬け・・・ 自然な酪農、アニマルウェルフェアからほど遠い状況です。そしてそのコーンもほとんどが南北アメリカからの輸入GMコーンで大豆と同じように栽培農場周辺の環境を破壊し、地域住民の健康を損ねています

使用禁止・規制という政府の選択肢

農林省として少ない労力で大きな成果を出せるのが規制の変更です。EUは既に農薬の全廃を目指しています。海外で禁止や規制が進むグリホサートやネコニコチノイド農薬はもちろん、生態系や健康に大きなダメージを与える石炭石油由来の合成化学物質や不自然に遺伝子を編集したゲノム編集生物、RNA農薬など安全が担保できない物質は予防原則に則り規制、禁止していけばグリーン戦略は一気に進みます

感謝

一方で中間取りまとめで農林水産省や関係機関が日本の農業の発展に貢献するオーガニックや六次産業化、国内農業の発展に貢献する様々な技術開発を提案してくれています。大変大事な活動であり、こういった1つ1つの技術開発の蓄積が日本の農林水産業、グリーン戦略の発展に寄与するものです。本当に尊い役割を果たして頂いており深く感謝しております

中間報告で再検証してほしい戦略 =「オーガニック農業新概念」「脱炭素化社会」「地球温暖化」「農業エネルギー政策」

有機農場を急拡大するためには、意欲さえあれば小規模・家族農業や家庭菜園などで取り組や生産者サイドからオーガニック推進に加速度がつくオーガニックの新基準づくりが必要。例えば農薬、化学肥料不使用と種子が有機であること、加えて出荷・加工プロセスでオーガニックでない食品添加物を入れないこと、農薬、化学肥料を使っていた圃場からの転換では土壌菌の発酵促進などによる土壌の浄化を促進する土作りなどの対策を実践したかどうかなど、日本の農業の現状に即したオーガニック農作物の新ガイドラインのコンセンサスづくりも必要と考えます

これら環境政策のお題目の背景には、原子力利権があったり、ガソリンエンジン等の産業技術力を弱い中国が電気自動車化で自動車産業を牛耳ろうという思惑があったります。地球環境のためと言いながら各陣営のプロパガンダ政策の場合もあります。「地球温暖化」もこのキャンペーン自体が詐欺であったと解説する学者も多く、多くの科学者が地球は寒冷化・小氷期に向かっていると指摘しています。化石燃料枯渇も石油利権の宣伝とも。これらを踏まえ杓子定規にSDGsなど世界の環境アジェンダを安易に国内政策に展開することは注意が必要です。電気自動車100%化の国家目標などは国内基幹の自動車産業を空洞化する日本を売る愚かな政策です。誰かがロビー活動で首相に取り入ったのかもしれません。エネルギー政策にも日本の国益を損なう場合もあり、もっと賢く再検証すべきと感じます。個々の技術開発にも倫理が必要です。人体への悪影響が懸念されるRNA農薬や遺伝子が編集されたGMO、スマート農業といっても人体に悪影響を与える電磁はミリ波の利用などは健康を害するため、規制すべきと考えます。合掌

提出内容は以上です。

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