「日本の窮地を救ってきた農業の大切さを見直そう !」

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第12回 日本の農業と食を考えるシンポジウムへのメッセージ

日本の窮地を救ってきた農業

大会長 日本自然農代表
由井寅子

歴史を振り返っても、日本の窮地を救ってきたのは農業でした。戦争直後の食糧危機も場合も、江戸時代の飢饉のときもそうでした。なぜでしょうか。実は、モノとかお金が全てのように捉えられがちな金融経済の輪っかの中に農業は入らないこともできるのです。そして、もし経済が崩壊しても、土とタネがあれば自然の中からまるで錬金術のように、農業をやっていれば無から食糧を生み出せるのです。ですから、これからたとえ経済の大混乱が起ころうとも農業さへしっかりしていればどの国も乗り越えられるのです。

今こそ食糧安全保障の観点から窮地を救う農業のとっても大事な役割をうまくみんなにわかってほしいと強く思い6月26日(土)に「第12回日本の農業と食を考えるシンポジウム」をCHhom東京校ライブ、サテライトCHhom大阪校同時中継、自宅オンライン配信の無料イベントとして開催いたしますのでぜひお誘いあわせの上、ご参加ください。

金儲け第一の金融経済の中で見失っているもの

実際、農業を国民あげて取り組めば、そして国や政府が農業を保護、庇護、加護し大事にすれば実は、農業も繁栄し、食べ物がものすごくリッチになって、皆の精神も落ち着き平和な世の中が実現できるのです。だから農業はすごく大事なのです。一方で、皆がどっぷりとお金が中心の経済の中に入ってしまうと、限られた富を奪い合うわけですから、人も人の性格も結局世知辛くなってしまうのです。利他の精神がない人たちが自分たちだけがお金持ちになって幸せになりたいと考えると、社会は一部の富むものと多くの貧しきものに分断されます。お金をもっているからとふんぞり返る輩(やから)が出てきたり、人を騙してでも自分がお金持ちになろうといったような人も増えてくるのです。でもお金と信用の裏づけで価値があるとされている架空の価値であり、実際に飢饉になれば、紙幣も金貨も食べられません。米や芋、自家採種できるタネや水の方がずっと価値があるのです。

働き手の心根が作物にあわらわれる

また、働く人の心根が、農業の中では正直に作物にでてきます。だから作物を見ればどれだけ心を込めてこれをつくったのかというのが正直にでます。働き手の心根が作物にあらわされるのです。手を抜いたところはすぐわかるし また育たなかったりします。

お百姓さんをやるというのは、身を挺して本当に 修行のような気持ちで行わないと農業はできないですね。実は、古来から日本人はこういった勢いで農業をやってきました。今、そういった勢い若い人には伝承されていないので、心を鍛えなおす教育からなんとかしないといけない状況になっています。ここは踏ん張りどころだと思います。

金儲け第一の大規模・石油化学依存農業はもはや時代遅れ

一方で外国資本などお金儲けを優先に農業をやっている方々は、大型機械を投入した大規模な農業で、大量に農薬、化学肥料を畑にまいたり、タネまで不自然なF1種や遺伝子組み換え、ゲノム編集にしたりと、自然の摂理の合わない方向へ突き進んでいますね。でももう限界が見えています。世界の多くの人がこれではいけないと気づき始めていますねそして日本は、この農業分野における気づきが、オーガニックについても、農薬、化学肥料の問題についても、タネの問題についても、本当に世界の動きから遅れています。しっかりしないといけないですね。

厳しい気候が大自然に感謝するお百姓さんの心を育てた

もともと手を込めて、真心込めて、そして 作物をいとしく育てるというのは日本人の特徴でした。なぜ、日本のお百姓さんの中で大自然に感謝する農業が身についていったのかを考えていったときに、日本が自然豊かなところだったので身についたのだと思います。一方で雨や風が、台風や洪水という形になって襲ってきますが、自然現象の中では、台風の大風も急にやんだりします。いわゆる凪(なぎ)という状態がおとずれます。凪がきたときにありがたいと感じます。実はこういう苦しい気象条件があるからこそ凪がものすごくありがたく、農作業の苦しさやこういう厳しい天候の試練があるからこそ収穫の喜びが計り知れないものになり、大自然に心からありがたいと思える気持ちになるのです。しかも日本列島は地球の4つのプレートの割れ目の頂点に位置するわけで、地震や津波、火山の噴火など、いろいろな自然災害による苦難がとても多い国なのです。シュタイナーも日本人のことを「苦難を乗り越えなければならない民族」だと言っています。でも、この苦難があるがゆえに昔から日本人は何事にも感謝できる民族になっていって皆が穏やかでいられるのではないでしょうか。その大本は日本の自然の美しさ、そして厳しさからきているのではないかと思います。

日本は他に類がないほど自然や資源に恵まれている国

日本には四季があり、で春になれば櫻も咲くし さくらんぼうもなるし、また自然の豊かさをいただいて水のきらきらしたのかとか海とか、冬には雪、そして各地に素晴らしい山々もあります。こんなに自然が豊富にある国というのは世界広しといえどもそんなにありません。さらに、実は日本は他に類がないほど自然や資源に恵まれている国なのです。ここのところをあんまり日本人はわかってなく、当たり前のものだと思っています。たとえば、中東の砂漠の国でも写真を見るとリゾートなどでは青々とパームヤシの緑が茂っていてきれいですよね。しかし彼らはパームヤシを必死に育てているのです。裏で一日中水をまいているわけですよ。そんなことしなくても日本は育つわけですよ。日本では植えればなんか育ちます。このことは農薬や化学肥料をつかってドーピングしなくても日本ではもともと 土壌 水、太陽がしっかりしているのだと思います。これだけでも砂漠や乾燥地帯、やせた大地の地帯や寒冷地などに比べればどれだけ日本が恵まれているかわかります。植物の多様性も火山が多いためにミネラル分の多い土壌の質も、更に周りを取り巻く海の幸まで、いろんな資源にも非常にめぐまれています。日本人の性格がおだやかであるというのはこういう自然が豊かであるからところから来ているのではないかと思います。

本来の農耕民族の血を蘇らせよう !

きれいでしょ。この日本の豊かな自然にふれることでおのずと情緒ができてきますから。日本人民族という性格ができあがってきたのです。

加えて、わたしたち多くの日本人の根底は農耕民族の精神が流れているのではないかと思います。小名木善行先生もおっしゃっていましたが 腰をまげて、地道に農作業をやるということは忍耐も必要で実はなかなかできない人たちや民族も多いのではないでしょうか。ですから、自分だけ働かされているとか 農作業なんてしんどいじゃないかと思う人間には腰をまげて地道に農業に打ち込んで作業をするはできない。仕事というもの、勤労にも感謝して、働けるという古来日本人が持っていた精神を養う教育も大事になるのです。

荒神様(あらがみさま)と和魂(にぎたま)

忍耐強い めげない 台風や洪水、大地震など災害があれば荒神様が来たんだなと受けとっていく、また、幸運や収穫の恵みや知恵が授けられたときは和魂がきたんだな ありがたいっていうことで感謝をして明日につなげていくこういう民族だと思うのです。

日本の農業と食の未来戦略がテーマのシンポジウムに

今、私たちの農業と食、子供たちの未来や健康、さらには世界、地球自身も窮地に立たされているのかもしれません。しかし、ピンチはチャンス、今まで、真剣に考えることもなかった多くの人たちも、今回。ここで多くの方が気づき、行動を変えていくようになれば、未来へ向けて大きな変革がスタートできる最大の好機かもしれません。私も今回は、未来へ向けて今、日本の農業と食に対して何を対策していかなければならないのか、解決策やビジョンを講演したいと思います。

新型コロナとワクチンの問題への解決策も緊急提言

加えて健康への大きなチャレンジとなっている新型コロナとワクチンの問題への解決策をお話ししたいと思います。

東大・鈴木宣弘教授、印鑰智哉さんも発表、農業と食の未来への提言を募集

そして来賓の発表者には、日本、いや日本だけでなく世界の農業と食、そして子供たちの未来を見据えて、最も知恵ある提言をお持ちになっている2人にお願いしております。1人は「今だけ、金だけ、自分だけ」という言葉が有名になりましたたが、日本の農業、食、国民生活を切り捨てる現在の政策を厳しく批判し国民や農業のためのビジョンを提言し続ける農林水産省出身で東京大学農学部教授の鈴木宣弘先生、そして、南米への滞在経験から世界の市民や農民と日本の私たちの関係も含め、食や農業、農薬、化学肥料、タネ、土壌、生物多様性の問題など、幅広い問題を俯瞰的にわかりやすく提言してくれる世界の食の問題の研究家の印鑰智哉先生に発表をお願いしています。

また、他にも日本の農業と食の未来への提言につながる発表などもシンポジウムに合わせて募集し、当日、またシンポジウム特設サイトで公開したいと思います。こういったことも含め、パネルディスカッションも実施したいと思います。また、私たちの静岡函南、北海道洞爺農場などからもライブ中継での報告も実施したいと思います。

今回も多くの方に参加、視聴していただくためにオンラインでも配信し、参加費無料で開催いたします。ぜひお誘いあわせの上、ご参加、ご視聴ください。

なお、東京用賀のCHhom東京校、同時中継サテライト会場のCHhom大阪校では、恒例の来場者へのおもてなしの対応もございます。東京は、会場1Fの豊受オーガニクスレストランでは、私どもの農場の作物を生かしたシンポジウム開催記念の特別御膳やお弁当を提供、販売いたします。お近くの方はぜひライブ会場での参加もお待ちしております。

昨年9月に開催された第10回大会ダイジェスト動画
5月22日に開催された静岡函南農場 花摘み・自然農場体験ツアー

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