印鑰 智哉(世界の食問題研究家/OKシードプロジェクト事務局長) 「食料危機と工業型農業からどう抜け出すか? 世界の実践から」

食料危機と工業型農業の問題点と解決の方向性をわかりやすく解説されました。

食料危機は、第二次世界大戦以降、何十年にもわたって作られてきたものと言えます。世界的に地域固有の多様な品種の小規模生産から、グローバルな少数の品種の作物の大規模生産へ転換がなされてきました。その結果、主要な農業国でも主食を輸入する状況になっています。たとえば、農業国であるブラジルでは、大豆、トウモロコシの生産では世界一を競いますが、主食の米、小麦は輸入に頼っています。

日本でも、お米はある程度は自給していますが、小麦87%、大豆94%、トウモロコシ99%が輸入に依存しており、飼料のほとんどが輸入、野菜の種子は9割が輸入の状況です。実質的に貿易が途絶えたら、お米とイモくらいしか食べられない状況になっています。

工業型農業は、化学肥料・農薬・種子の3点セットで、 モノカルチャー(少品種大量生産)、 巨大多国籍企業による国際的分業体制、グローバルな食のシステムが促進される農業です。食のグローバル化という戦略で、グローバル作物である小麦、トウモロコシ、大豆などを輸入し、化学肥料・農薬を使い、単一品種ばかりを広大な地域で栽培するモノカルチャーになっています。

また、工業型農業は気候を破壊しています。 工場的畜産による糞尿により、大気汚染、水質汚染、抗生物質耐性菌の発生し、 森林伐採による農地拡大で自然破壊し、気候変動ガスの排出の原因ともなっています。さらには、遺伝子組み換え作物、ゲノム編集の作物の促進がなされ、生態系にも危険である可能性が高い状況になっています。

このような工業型農業には未来はなく、それをいかに克服するかが課題となります。

解決策としては、
①生態系の力を復活させる有機農業・アグロエコロジーによって多重危機を避け、環境も健康も回復できる可能性があります。
②多様な在来種のタネから作ることが大事であり、タネから健康な食が生まれます。
③そして、学校給食をはじめ地域の取り組みがとても有効になります。
④条例作りが難しい場合は家庭菜園や家庭の食事からでもいいので取り組んでいきましょう。との言葉で締めくられました。

私たちがどのようにしたら、この危機的な状況を抜け出すことが出来るのか、希望の見える方向性を提示していただきました。

印鑰 智哉・プロフィール→

 

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