農家にタネをとらせろ! 農家の登録品種 一律自家採種禁止が2022年4月から
- 2020/12/04
今回の種苗法改正案は、国際条約でも保障されている農家の自家採種の権利を一方的に奪うもの。今後の日本の農業、食の安全まで大きく変えてしまう大変な危険な法改正です。日本豊受自然農では、全社をあげてこの法案への反対の声をあげてきました。今回法案自体は成立しましたが、農家の登録品種 一律自家採種禁止が2022年4月からです。これからも、農家の自家採種の権利を守るため、行動していきます。引き続き、ご理解、ご支援をよろしくお願いいたします。
<百姓の声を聞け!!! 函南農場1人ひとりの声>
https://www.youtube.com/watch?v=qPZTNXGTV2k
このわずか数ヶ月間、多くの方にも賛同いただきました。1万2200筆を超える廃案への国会請願署名(農民連さんなど全団体では6万筆以上も集まっています)。
多くのFAXやメールが議員のもとにも送られ、国会質疑でもそのことを話題に質疑を行った人も目立ちました。
社会的な関心北海道179の市町村のうち74の議会が慎重審議・廃案の意見書をあげるなど、300以上の地方議会から国会に意見書もあがっているそうです。
国会の質疑で様々な問題や虚偽が発覚しました。法案制定趣旨の統計数字にまで虚偽がありましたので、常識では法案の企画部署に差し戻して、廃案、次回以降の国会で再度審議されるものです。しかし法案成立ありき、スケジュール優先で衆院、参院と採決が繰り返され、参議院本会議でも賛成討論、反対討論さえ行われず、わずか2分40秒の時間を割いただけで、起立多数決で可決され、「改正種苗法」は成立しました。大変残念です。立法の府としての国会の機能不全を見せ付けられた国会中継。録画で皆さんもぜひご覧ください。
<タネをとらせろ! 法案成立時に参議院議員会館前で由井代表がアピール>
https://www.youtube.com/watch?v=LSVX0IHm5vg
ツイキャスで座り込みアクション通しも見られます。
しかし、この数ヶ月の間で多くの方が、この問題に気づき、目覚めました。そして声を上げ立ち上がったことは、今後に大きな力となります。
種苗法改正自体の施行は2021年4月1日ですが、登録品種の一律自家採種禁止が施行されるのは、2022年4月1日と昨日、東京新聞などでも報道されました。あと1年4ヶ月の猶予があります。この残された時間を無駄にせずに、子どもたちの未来の健康と幸せを守っていくためにも、この状況を変えていくため、声を上げ立ち上がりましょう!
タネはみんなのもの
古来からお百姓さんは、代々、毎年の栽培を通じて作物と対話をしながらよい種子を選抜しながらタネを守り続けてきました。しかし、近年、生命の源である人類共通の財産であるタネ。また自然からの贈り物でもあるそれだけで完全なタネに、人為的な操作を行うようになりました。最初は人工交配から始まりましたが、今では放射線照射や、雄性不稔処理、また、遺伝子組み換えやゲノム編集などの不自然な形で自然なタネを人為的に改造しています。そして、生命の一部を改造したからといって、その生命全部に対して企業が知的財産権、特許を主張するようになりました。この生物へ特許をつけるという考え方は、まだ数十年の歴史しかありません。
しかし、農薬、化学肥料の6割を独占するバイオメジャー3社、そして同じ3社が世界の種子ビジネスの6割を独占し、農薬と化学肥料とセットで種子ビジネスを行うことで世界で農家や市民との間で多くの争いが起こっています。
生命の一部を改変したからといって生命全部に知的財産権を主張するという考え方自体おかしなものです。ドイツなど生命特許の考え方そのものを否定する国も多いです。そして特に在来種のタネは、同じ品種でもそのそれぞれが個性のある生き物です。
今回の種苗法改正では、固定種・在来種についても少し品種改良しただけで知的財産権を主張することができ、特性表で目視で知的財産権侵害が判断されるので訴えやすくなっています。
また、公共が在来種を品種改良して登録し農家がタネとりや自家増殖をしてきた品種まで一律、自家採種・自家増殖を許諾制として禁止する世界に類をみない農家のタネとりの権利を一方的に剥奪するバランスを欠いた法改正です。そもそも農家の自家採種の権利は国際条約で認められており、しかも小規模農家(日本の農家はほとんどこの範疇に入ります)は例外、有機農家は例外、また、食糧安全保障、食糧危機へのセーフガードのためにアメリカでさへ主要穀類の小麦などは、自家採種規制の例外です。
タネはみんなのもの、先祖の品種改良してくださった多くのお百姓も含め、人類共有の財産です。日本の各地域で守り告がれてきた多様な在来種のタネと日本の自然な農業、安全安心な食、そして子どもたちの未来を守りましょう!
<種苗法改正 誰が聞いてもわかりやすいようとらこ先生が解説!>
https://www.youtube.com/watch?v=ILVtHe6jqC8
▼参考人質疑を行った印鑰 智哉さん 総括コメント(faceboook記事リンク)
https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=4801798583180267&id=100000505175335
▼審議で明らかになった種苗法改正案の10の問題(「印鑰 智哉のブログ」より)
http://blog.rederio.jp/archives/5624#more-5624
▼底が抜けた国会:農林水産委員会での種苗法審議(「印鑰 智哉のブログ」より)
http://blog.rederio.jp/archives/5619#more-5619
なお、今後の活動については、順次決まり次第、情報公開していきます。
引き続き、この種苗法の改正についてはとらこ先生の講演会 12月26日(土)、
年始1月5日(火)のとらこ先生新春ホメオパシートーク、2月下旬に企画中の
日本の農業と食を考えるシンポジウムなどでも取り上げていきます。
次回の通常国会への改正種苗法への新規の請願署名の内容も現在、農民連、日本の種子を守る会などの他団体とも調整中です。詳細は少々お待ちください。今いただいている署名はお送りください。
そして今回、国会審議で多くのもんだい強行採決しなければならなかった背景の1つには、日本のタネ、
農業、食の安全を外資に売り渡すことを定めているTPPなどの自由貿易協定の影響が否定できません。
現在、行われているTPP 種子法廃止 違憲訴訟の第2回公判は12月11日(金)開廷予定、とらこ先生も
原告団に加わっており、現在、原告となる方も募集中です。
(参考リンク)
・今回の種苗法改正では日本の主食、日本農業の基幹作物である「コメ」がターゲットとされていること
が国会質疑等でも明らかになってきています。
<スタッフブログから 「日本伝統の農家のコメづくり、食の安全も危ない!」>
https://toyouke.com/blog/15908.html
・農林水産省「種苗法改正案について よくある質問(Q&A)」の矛盾を考える
https://toyouke.com/blog/15610.html
(↑ 国会での実際の審議の映像など追加しました)
<参考映像リンク>
・映画「タネはだれのもの」 とらこ先生舞台挨拶
https://www.youtube.com/watch?v=fJ2-hqD2bjE
・11月4日 とらこ先生 署名を持って国会へ
https://www.youtube.com/watch?v=imUimgb2XaE
・種苗法改定 日本豊受自然農からの感謝とお願い
https://www.youtube.com/watch?v=ngi_FnvvboY
・種はみんなのものだ!! 函南農場収穫祭 CM撮り
https://www.youtube.com/watch?v=p3H-BFFqid8
・函南農場 秋の収穫祭 ダイジェスト
https://www.youtube.com/watch?v=-FvN-A2vunA
・日本豊受自然農 土作り 六次産業化への取り組み
https://www.youtube.com/watch?v=yfCMEfYhiOM