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農林水産省「種苗法改正案について よくある質問(Q&A)」の矛盾を考える

▼この問題を特集したドキュメンタリー映画「タネは誰のもの」が公開されました。

農林水産省のQ&Aの矛盾などが一目瞭然でわかる映画です。これから始まる臨時国会で農家の自家採種・自家増殖にかなりな制限と違反者には常識はずれの罰則を与える法律の種苗法改定が、そのまま成立しないためにも、多くの方にこの事実をお知らせください。以下の情報もぜひご参考ください。

自主上映会など開催案内 映画の予告編、リーフレットも見られます。

映画はとらこ先生、農場スタッフの在来種の種取りのシーンから始まります。

https://www.youtube.com/watch?v=7Fbpgdg6EB0&feature=emb_title

 

2020年秋の臨時国会で法案成立が検討されていますが、農林水産省が公開した種苗法改正案について よくある質問(Q&A)は素人が読んでも矛盾だらけです。以下の関連情報もお読みいただきご活用ください。

▼簡潔でわかりやすいので印鑰智哉さんの「種苗法改正に関する農水省のQ&Aに一言」も、また

こちらのブログ記事もわかりやすいので、お母さん方などに説明のときなどにもご活用ください。どうしてここまでおかしな主張ができるか不思議ですが、今回の法改定の目的が、農林水産省の主張する国内の種苗開発業者保護、国内の農家保護推進とは全く別な思惑から計画されていると考えるととてもつじつまが合います。

「今日本の食が危ない!子どもたちの未来が危ない!日本のお母さんに知ってもらいたいこと」

また、日本豊受自然農 東京事務所に寄せられた「種苗法「改定」案の廃案を求める請願署名」だけで

10月19日現在で5000名を超えました、10月末までに届いたものは取りまとめられている農民連経由で

衆参両院国会議長に届けますので引き続き署名活動(https://toyouke.com/blog/15482.html)にもご協力お願いします。

また、この問題をよりよく理解するため、とらこ先生、印鑰智哉さん、「遺伝子組み換えルーレット」ジェフリー・スミス監督の講演メッセージ動画もアップしました。ご覧いただき、情報拡散にご協力願います。

日本豊受自然農は「食の安全を守る人々」の映画製作・上映を応援しています。11月完成予定

種苗法改定案では8000種以上の登録品種で一律農家の自家採取が禁止され国内農業に多大な影響を与えます。さらに国民の食の安全、ひいては日本の食糧安全保障にも関わる大事な問題です。農林水産省のQ&Aを手がかりに、皆さんとともにこの問題を考えていきたいと提案します。今回の種苗法改定案をはじめ、2019年4月に廃止された主要農作物種子法、セットで施行された農業競争力強化支援法の問題、日本が最大の輸入国となっている遺伝子組み換え農作物の問題、EUなどでは予防原則から栽培流通を禁止していて安全性について世界的に議論のあるゲノム編集食品を日本政府が安全と判定し表示義務なしに昨年流通や栽培を認めた問題、これらの背景にあるTPPなどの国際条約の問題など・・・ 農家にも国民にも大事な情報が知らされていないことが大きな問題だと、日本豊受自然農では考えています。

※最新情報に随時更新予定です。

<速報> 種苗法改定に関連して9月21日開催した日本の農業、食、未来を考えるシンポジウムの中から由井寅子代表の開会挨拶と、山田正彦元農相「今皆さんに知っていただきたい大切な話」発表と「タネは誰のもの」「食の安全を守る人々(仮題)」の2つの映画の原村政樹監督による紹介デトックス・プロジェクト・ジャパン&食べ物変えたいママプロジェクトのアピールをYoutubeに公開しました。 シンポジウム全体も10月11日(日)、15日(木)に要望が多く再配信することとなりました。さらに10月4日(日)第21回JPHMAコングレス(オンライン無料配信イベント)では、関連する話題で、世界の食の問題研究家の印鑰智哉さんが「健康・環境を破壊する遺伝子組み換えの最新バージョン「ゲノム編集」は何をもたらす?-種苗法改定は何を意図しているか、未来を作る自然農法はどう拡げる?」、映画「遺伝子組み換えルーレット」のジェフリー・M・スミス監督には、「食品に含まれるラウンドアップの破壊的影響、そして前代未聞の新GMOによる生存の危機」の講演をオンライン配信します。これらの内容、イベントもご参考ください。種苗法改定案 廃案の国会請願署名にもご協力よろしくお願いいたします。

よくある質問

Q1.なぜ種苗法を改正するのですか?

赤字:農林水産省回答  青字:日本豊受自然農見解

A.(農林水産省回答)農業者の皆様に、優良な品種を持続的に利用してもらうためです。

日本で開発されたブドウやイチゴなどの優良品種が海外に流出し、第三国に輸出・産地化される事例があります。また、農業者が増殖したサクランボ品種が無断でオーストラリアの農家に譲渡され、産地化された事例もあります。このようなことにより、国内で品種開発が滞ることも懸念されるので、より実効的に新品種を保護する法改正が必要と考えています。

(日本豊受自然農見解)

いいえ この主張には嘘があります。

 種苗法は国内法ですから海外には効力がありません。そのため、品種の海外流出を抑えるためには、海外品種登録しかありません。シャインマスカットがよく事例にだされますが、開発した農林省所轄の独立行政法人の農研機構が登録期間内に、海外品種登録をしなかったため、海外でも自由に品種栽培できるようになっています。いわば行政の怠慢です。

また、山田正彦元農相が指摘しているように、2019年3月4日 農林省の品種法制度の概要から確認すると「登録されている品種を買ってもちろん自家増殖できるけれども、第三者に対する譲渡は禁止」と記載されています。すでに改正しなくても現行法で対応できるのでこれを理由に改定する必要があるのでしょうか。

さらにサクランボ品種が無断でオーストラリアの農家に譲渡された、これは「紅秀峰」という品種のことだと思われますが、これは山形県、農家側の弁護士が現行の種苗法をもとにオーストラリアの領事館と交渉し有効に海外持ち出し後の対策が国境を越えて和解、問題解決がなさなれています。そのインタビューが今秋公開のドキュメンタリー映画「タネは誰のもの」に収録されています。

※以下、資料についてはわかりやすくまとめておられるので、SHIFT(【改訂版】食材の高騰、安全な食材の不足が加速 – 種苗法改定について –)https://shift-pn.com/2020/09/21/shubyoho001/ から画像、イメージをお借りしています。

 スライド12-1

以下の記事も参考ください

▼SHIFT Speaker Deckなぜ、種苗法改定案で海外流出は防げないのか    

https://speakerdeck.com/shiftpn/naze-zhong-miao-fa-gai-ding-an-dehai-wai-liu-chu-hafang-genaifalseka

Q2.種苗法の改正は種苗会社のために行うのですか?

A.(農林水産省回答)我が国の新品種は、種苗会社のみならず、都道府県の公設試験場、農研機構、また個人の品種開発者等によって開発されています。

種苗法の改正によって優良な新品種の流出を抑止することは、産地づくりを進める都道府県や高付加価値の農作物を出荷する産地の農業者におおきなメリットとなります。
また、品種の保護が強化されることで、品種開発が進むので、従来から利用してきた一般品種に加え、登録品種が選択肢として加わることとなりますので、農業者の品種の選択の幅が広がります。

→(日本豊受自然農見解)

いいえ、この主張には詭弁があります。

政府は種子法廃止法案と同時に『農業競争力強化支援法』を成立させましたが、同法8条4項では、独立行政法人農研機構(国の機関)、各都道府県の優良な育種知見を民間に提供することを促進するとしています。

同法の審議の際に当時の齋藤農水副大臣は、民間とは種子の3大グローバルメジャーであるバイエル(旧モンサント)、コルデバアグリサイエンス(旧ダウ デュポン)、シンジェンタなど海外の事業者も含まれると答弁しています。

つまり、これは、都道府県の農業試験場や農研機構が農家と一緒になって守り伝え、開発してきた日本の種子種苗の知見を、海外種子メジャーを含む民間に払い下げるように規定した法律であり、国内の種子主権を海外種子メジャーに売り渡すリスクにつながるものです。

今回の種子種苗関連の一連の行政の取り組みをみていて、種苗法改定案と、農業競争力強化支援法、主要農作物種子法を廃止をセットでみると、実は、農林水産省が日本の農家や国内の育種開発者のために今回の種苗法改定案を行っているという説明より、農薬、化学肥料とセットで種子事業をビジネスとして行っており、3社でこれらの部門のシェア7-8割を独占する海外の3大種苗メジャーなどからの要求に沿って、この種苗法の改定案が企画されているのではないかとさへ懸念されます。

 スライド29

Q3-1.自家増殖は一律禁止になりますか?

A.(農林水産省回答)自家増殖は一律禁止になりません。

現在利用されているほとんどの品種は一般品種であり、今後も自由に自家増殖ができます。

(日本豊受自然農見解)

いいえ、この主張には嘘があります。

スライド34-1

印鑰智哉のブログ「種苗法改正に関する農水省のQ&Aに一言」から以下転載。

今回の種苗法改正は自家増殖を一律許諾制にしますが、このように自家増殖を一律規制する国は現在、世界にも他にありません。EUも主食の穀類やイモ類は例外としていますし、米国でも特許が取られていない作物には自家増殖の制限がありません。一方、今回の種苗法改正では例外を設けず、すべての登録品種の自家増殖を許諾制に変えようとしています。
 現在利用されている品種がほとんど一般品種であるという農水省の説明は現状と異なります。たとえば都道府県毎に設定されている品種検査量稲の産地品種銘柄でみますと、選ばれている品種では登録品種の方が品種数の上では一般品種よりも多く(*1)、稲以外の農産物でもその地方で力を入れているものは概して登録品種の割合が高くなる傾向があり、法改正の対象となる品種数は5294にのぼります。(*2) ほとんどが一般品種であり、改正の対象の一部となる登録品種はわずかだというのは地域の現状とはかけ離れた虚偽説明と言わざるを得ません。

(*1)2018年に品種検査されたすべての品種、また道府県で指定されたすべての産地品種銘柄の品種を農水省の品種登録データベースで登録有効期限を調べることで算出。データ出典は末尾参照のこと。
(*2)農水省が発表した「各都道府県において主に栽培されている品種」(末尾参照)を元に算出したもの。法改正の対象となる品種数は農水省回答 

 また法改正で許諾を必要とされるものには民間企業による品種も含まれ、自家増殖の許諾を与えるかどうかは一切、育成権を持つもの次第であり、許諾が与えられる保証はありませんし、その許諾料に制限を設ける規定も種苗法改正案の中には存在していません。

参考

農水省品種登録データ検索
農水省:水稲うるちもみ及び水稲うるち玄米の産地品種銘柄一覧(2018年)(PDF)
農水省:各都道府県において主に栽培されている品種(令和2年3月末現在)(PDF)

」 転載ここまで。

スライド35-1

登録されている作物は全品種の1割程度ですが、これら登録品種は人気品種ですので実際に栽培されている品種ではかなりな作物が影響を受けます。

(日本豊受自然農見解)

さらに、今、種子は野菜の販売されている種子などほとんどF1種、種とりのできない品種だから、いまどき自家採種している農家なんて、ほとんどないから農家への影響は限定的なもので大騒ぎするほどでもないという論調もみられますが、これも間違っています。山田正彦元農相が何年か前の農林水産省の調査を引用し、農家の過半が穀類含め自家採種・自家増殖しているととYouTubeのトークセッションで話していましたが、今でも自家採種・自家増殖は国内の多くの農家が行っており、登録品種がかなりな栽培を占めており、さらに、自家採種・自家増殖を行っている農家も多いという現実からすると、今回の法改正の影響は、日本の農家、農業に大きな影響を与えるものなので、しっかりと農家にも正確な情報を開示して法改正の検討が行われるべきものだと考えます。

Q3-2.自家増殖は一律禁止になりますか?

A.(農林水産省回答)改正法案で、自家増殖に許諾が必要となるのは、国や県の試験場などが年月と費用をかけて開発し、登録された登録品種のみです。そのような登録品種でも許諾を受ければ自家増殖ができます。

→(日本豊受自然農見解)

いいえ、ここには詭弁があります。

先ほども説明しましたが、『農業競争力強化支援法』8条4項では、独立行政法人農研機構(国の機関)、各都道府県の優良な育種知見を民間に提供することを促進するとしています。

同法の審議の際に当時の齋藤農水副大臣は、民間とは種子の3大グローバルメジャーであるバイエル(旧モンサント)、コルデバアグリサイエンス(旧ダウ デュポン)、シンジェンタなどもこの海外の事業者も含まれると答弁しています。これらの企業は利潤を追求しますので、取得した登録品種について、許諾料の高騰、また彼らの利益になる品種しか許諾しないということが懸念されますし、実際に海外ではそのような事例が多々起きています。

もし、『農業競争力強化支援法』8条4項に規定されているように、農研機構や都道府県が開発してきた日本の育種知見が、グローバル種子メジャーに握られるような事態になれば、実際、海外で起こっているように、グローバル種子メーカーに利益となる農薬と化学肥料とセットで儲かるF1種、遺伝子組み換えやゲノム編集種子などの在来種とは異なる品種が重点的の供給されるような事態が懸念されます。各地の気候風土にあって長年農家が守り伝えてきた在来種の種子の多様性が減少することが懸念されます。また、農薬、化学肥料とセットでの種子の普及は世界の潮流である市民がオーガニックな食材を求めるニーズにも逆行します。海外各国でも公共から民間外資に種苗販売が移管されることで種苗価格の大幅な上昇も懸念されます。

Q4.なぜ登録品種の自家増殖を許諾制にするのですか?

A.(農林水産省回答)過去に自家増殖を行っていた農業者から登録品種が流出した事例が発生しています。

これを防ぐには、育成者権者が登録品種の増殖実態を把握し、種苗の適切な流通管理をできるようにする必要があります。

このため、登録品種の海外持出を制限する規定を設ける改正とあわせて、登録品種の自家増殖について育成者権者の許諾に基づいて行うこととしています。

→(日本豊受自然農見解)

いいえ、これも詭弁だと思います。以下も参照ください。

 スライド13-1

スライド14-1

Q.農業者が今まで使っていた品種が品種登録され、許諾料を払うことになりませんか?

A.(農林水産省回答)在来種(地域の伝統品種)を含め、農業者が今まで利用していた一般品種は今後とも許諾も許諾料も必要ありません。

一般品種を新たに登録することはできません。仮に一般品種と知りながら、品種登録した場合には、種苗法第68条(詐欺の行為の罪)により罰せられる可能性があります。

→(日本豊受自然農見解)

いいえ、実はここにも、巧妙な詭弁があります。

農水省が主張する「在来種は自家採種禁止から外す」という言葉により、一見安心できるように思いますが、実は、その見解自体が曖昧で、リスクのあることだとわかっています。

※以下SHIFTの見解を引用します

注目をしていただきたいのが「そもそもの見分け方に不安がある」という点です。農水省は在来種と登録品種を見分けるにあたって「特性表」と「人的能力」で対応をするとしています。

特性表とは、品種の特性を「表」で示したものであり、葉、根、大きさ、色などの特徴を表にし、文字でまとめられています。登録品種は特性表を使い登録されており、この表をもとに、登録品種なのかそうでないのか?を見分けるようになっています。

農水省は主に、この特性表を使いながら「登録品種なのか?在来種なのか?」を担当者の人的能力(目視)で見分けると主張しています。

 スライド20

スライド19-2

そうなると、最大の論点となるのは「特性表と人的能力(目視)で登録品種と在来種を本当に見極められるのか?」という点です。
それは、以下の理由から見極めが困難となると容易に予想されます

 スライド21-1


①種は変化する
種はその土地々々の気候や風土に根ざした変化をしていくため、同じ在来種と言えど、その環境に適応した変化をしていくことになります。
このように、種は変化することを当たり前として考えなければならず、常に同じ形状や特徴を持つことがありません。
もし、在来種が土地や気候の変化により登録品種に近い形質となった時、どのように判断をしていくのでしょうか。

②交雑の問題
更に、交雑の問題があります。
海外では、登録品種(遺伝子組み換え作物)が風にのって農家の作物と交雑し「知的財産権を侵害した」として、企業から訴訟されるケースが多発しています。
農家が意図せず、しかも、防ぎようの無い状況にもかかわらず、交雑をすれば訴訟され、敗訴にまで至っています。
日本でも、何らかの登録品種が在来種と交雑し、登録品種に形状や特質が似た場合、訴訟を起こされることが容易に想定されます。

③品種の多様性
①②だけでも「確実に見分ける」ということが如何に困難かを理解できますが、加えて、作物にはいくつもの種が存在するという当たり前の事実があります。

スライド22-1
例えば、大豆においては何万種。大根は何千種もの種があるわけで、これら細かな特徴を持つ品種を「特性表」や「人的能力」だけで見極めることは、非現実的だと言わざるを得ません。

上記①~③がある中で「在来種(固定種)は守られる」という論調がいかに曖昧で、実現の難しいことかおわかりいただけるかと思います。

この「大きなグレーゾーン」があるということは、その中で、知的財産権を巡る訴訟リスクは必然的に高くなります。

そして、農家が対峙しなければならない相手は、登録品種を広めたいモンサント社などの大手グローバル種子企業です。
これら有力な弁護団を抱え、ロビー活動や訴訟に長けた大資本を持つ企業と、一農家が訴訟となった時、どちらが有利かは一目瞭然です。

近年、バイオパイラシー(生物的海賊行為)が問題となっています。
バイオパイラシーとは、生物資源に対してグローバル種子企業が特許を取得し、利益を専有する行為です。
この言葉が象徴するように、グローバル種子企業は利益源として、バイオパイラシーを行っており、グレーゾーンを如何に企業側の利益に持っていくかを考えています。

在来種は法的に守られておらず、グレーゾーンがある中で、「在来種(固定種)は自家採種禁止から外れているから安心」という姿勢では、取り返しのつかないことになりかねません。

 

「特性表」ではなく「遺伝子解析」や「現物比較」で農水省は対応できるのではないか。という声もよくいただきますが、上記スライドのように、農水省がそれを否定しています。
ここまで見てきた通り「特性表」という現実味の無い手段で、開発者が訴えやすいようにしていく流れがここでもみえてきます。

Q.自家増殖に許諾が必要となると、農家の生産コストや事務負担が増えて営農に支障が出ませんか?

A.(農林省回答)現在利用されているほとんどの品種は一般品種であり、許諾も許諾料も必要ありません。

自家増殖に許諾が必要となるのは、国や県の試験場などが年月と費用をかけて開発し登録された登録品種のみです。新品種は農業者に利用してもらわなければ意味がないので、農業者の利用が進まない許諾料となることは考えられません。なお、登録品種の自家増殖の許諾手続きは、農業者の事務負担が増えないように、団体がまとめて受けることもできます。

→(日本豊受自然農見解)

いいえ、この主張には嘘があります。 

スライド35-1

現在、栽培されているシェアに直しますとかなり割合が登録品種で占められるため影響があります。

これらの自家採種、自家増殖を許諾してくれるならよいですが、公共の種子が外資を含む民間に移管されることで、まして、グローバル種子メジャーのように利益追求を第一に考える企業に権利が移りますと、高額な許諾量や種苗価格の上昇、セットでの農薬、化学肥料購入などでのかなりな農家の負担増も懸念され、ます。実際に海外では、種苗などの購入コストが高騰した事例が多くあります。

Q.利用できる品種が限定されてしまうのではないですか?

A.(農林水産省回答)種苗法及び種苗法改正法案は、新しい品種を開発し、農林水産省に登録した新品種を知的財産として保護する法律であり、農業者に特定の品種の利用を強いたり、品種の選択を制限するようなことはありません。

→(日本豊受自然農見解)

いいえこれも詭弁です。『農業競争力強化支援法』8条4項に定められているように、外資を含む民間種苗企業に、農研機構や都道府県農業試験場の育種知見が払い下げられるようなことになれば、これら種苗企業に有利な品種しか栽培されなくなります。結果的に農業者に特定の品種の利用を強制するような事例も海外で多くみられます。在来種などの種子の多様性が失われるのは、海外の状況を見れば明らかです。

(参考)

インドにおける綿花の栽培種の変化
1947年に97%を占めていたインド在来種の綿が、2019年にはわずか1%まで減少し、ほとんどがアメリカの種子に変わってしまった

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Q.今回の法改正で、家庭菜園(販売、譲渡を行わない場合)での利用に影響はありますか?

A.(農林水産省回答)今回の法改正は、自家消費を目的とする家庭菜園や趣味としての利用に影響はありません。

→(日本豊受自然農見解)

いいえ、実は長期的に見るとそうでもありません。

直接は市民には影響はでないように勘違いしますが、地域での在来種、自家採種の農業が衰退し、種苗の多様性が失われれば、市民が入手できる種子の種類も減り、種子の価格も上昇すると予想されます。

市民にとって、それよりも忘れてはならない点は、主要な作物の種苗がグローバル種子メジャーに支配されれば、国民の食の安全の確保が危うくなります。

種子メジャーは利益率が高く、農薬、化学肥料がセットの種子でのビジネスの利益がでますのでオーガニックな食材の供給は難しくなるでしょう。農家が次世代の種子とりをできない雄性不稔の奇形のF1種(自殺する種子)ばかりになれば、作物を収穫しても次に植える種がとれないため、食料危機の場合などは食糧安全保障面でも大きなリスクになります。

また、グローバル種子メジャーが推奨する人工的に別に遺伝子を組み込んだ遺伝子組み換えの種子や、ある機能を行う遺伝子を取り除いてしまうゲノム編集の種子については、食の安全の懸念や環境汚染・生態系への影響が懸念され、これらはEUなどでは人体や環境への安全性がわからない場合は、国民の健康や環境への影響を配慮して予防原則から使用が禁止や規制するという発想であり、遺伝子組み換え、ゲノム編集、グリホサートやネオニコイチノイドなどでも使用を禁止する方向にあります。しかし日本ではゲノム編集種子から食品は昨年安全と政府が判断したため自由に流通できるようになっています。種苗を支配されれば、結果的には、市民が安全性の国内農家からも食べなければならないような事態にもなりかねません。こういった危機管理をみても、ヨーロッパと同じように国民が立ち上がることが必要で、農家だけの問題ではないと考えています。

Q.優良品種の海外流出を防止するには、海外で品種登録するしか方法がないのではないですか?

A.(農林水産省回答)農林水産省では品種流出のリスクが高い国における品種登録を支援し、海外での無断栽培の防止等を図ってきました。

一方で、現在の種苗法では、登録品種であっても正規に購入した種苗であれば、購入者が海外に持ち出すことは合法で、止めることはできません。

このため、海外での品種登録に加え、国内法でも登録品種の海外への持ち出しについてきちんと対応できるようにする必要があります。

(参考1)海外への品種登録出願や育成者権侵害対策の支援(リンク)(PDF : 901KB)

https://www.maff.go.jp/j/shokusan/attach/pdf/shubyoho-16.pdf

→(日本豊受自然農見解)

この回答もおかしいのではないかと思います。

また、山田正彦元農相が指摘しているように、2019年3月4日 農林省の品種法制度の概要から確認すると「登録されている品種を買ってもちろん自家増殖できるけれども、第三者に対する譲渡は禁止」と記載されています。すでに改正しなくても現行法で対応できるのでこれを理由に改定する必要があるのでしょうか。

海外への持ち出しを規制するには海外での品種登録をまずきっちりとすべきではないでしょうか。シャインマスカットもこの海外品種登録を農林水産省が怠ったため現在では海外でも規制ができないのではないしょうか。国内は現行法でも十分対応できるし、もし不備を補強するなら海外への種苗の持ち出しを禁止する法律のみ施行すればよいものだと思います。これに合わせて国内農家にマイナスの影響の多い登録品種の自家採種・自家増殖を一律禁止する法律制定の必要はないと考えます。

Q.海外の多国籍企業による種子の支配が進むのではないですか?

A.(農林水産省回答)我が国では公的機関や国内の種苗会社が、海外の多国籍企業が開発できない日本の風土に適合した優良な品種を開発していて、競争力が圧倒的に高いため、種苗法が改正されたとしても海外企業による種子の支配を心配する必要はありません。

むしろ、今後も国内での品種開発がしっかり進められるように、新品種の権利を守る制度の整備が必要です。

→(日本豊受自然農見解)

農林水産省の云う「我が国では公的機関や国内の種苗会社が、海外の多国籍企業が開発できない日本の風土に適合した優良な品種を開発していて、競争力が圧倒的に高い」という認識は本当でしょうか。すでに販売される野菜の種子の9割が海外から輸入、国内種苗会社の販売にみえても、グローバル種子メジャーの提携農場での栽培も多く、国内メーカーが有料な品種の開発に圧倒的に高い競争力を持っているという認識が今でも通用するのでしょうか。確かに戦前戦後と通じて、日本は様々な優良品種を開発してきましたが、その多くは政府の農業研究所(農研機構)であり、都道府県の農業試験場に加え、国内主要種苗企業の貢献もありましたが世界の種苗ビジネスでは企業のM&Aが急速に進み、規模、ケタが違うグローバル種子メジャーが誕生し、その影響は日本国内の種苗にも大きな影響を与えているように思います。国が欧州のように国内農業を保護しないため、国内の農業が衰退するのに合わせ、特に公的な種苗開発部門や多くの国内種苗開発業者は、弱体化しているのではないでしょうか。特に公的な開発機関は、2018年4月の主要農作物種子法廃止などでさらに予算や人員も削られるという厳しい状況や、国内種苗企業でもグローバル企業による資本の支配が進んでいること、これまで日本で開発してきた公共の種苗の知見を外資も含む民間に譲渡するという農業競争力強化支援法をあわせて考えると、海外の多国籍企業による日本の種苗事業の支配が進むというリスクは否定できないのではないでしょうか。

Q.遺伝子組換え作物の栽培が拡大したり、安全性に問題のある農薬の利用が広がるのではありませんか?

A.(農林水産省回答)種苗法及び種苗法改正法案は、新しい品種を開発し、農林水産省に登録した新品種を知的財産として保護する法律であり、遺伝子組換え作物の品種の利用を促進することはありません。

遺伝子組換えについては、「カルタヘナ法」、「食品表示法」及び「食品衛生法」に基づいて、農薬については「農薬取締法」に基づいて、適切な規制が別途行われており、種苗法の改正とは関係ありません。

→(日本豊受自然農見解)

いいえ、これも詭弁です。

既に、日本は遺伝子組み換え由来の作物の世界最大の輸入国です。そして、遺伝子組み換え種子の種苗の第一種使用(一般栽培)を認可する方策を次々に農林水産省は行っています。国内栽培はまだ行っていないだけでいつ行ってもいい法整備を農林水産省は整えています。

すでに農林水産省は多くの遺伝子組み換え作物栽培を認可しています。

遺伝子組み換え国内栽培

公表資料より作成

(日本豊受自然農見解)

加えて、EUなど多くの国では、安全性が未確認のため流通栽培を禁止しているゲノム編集種子を安全と認め、さらに有機栽培でもゲノム編集種子を使って栽培した農作物を有機と認めるための検討会を昨年農林水産省は開いたと聞きます。さすがに認められなかったようですが。安全性に国際的に疑義のあるゲノム編集食品を安易に許可することは、これからの世代に取り返しのつかない健康被害、食品公害を招く危険な判断ではないかと危惧しています。またゲノム編集種子の栽培は、生態系に対して取り返しのつかない遺伝子汚染が懸念される上、ゲノム編集栽培汚染国として日本の農産物がEUをはじめ多くの国に日本の農作物が輸出できなくなるリスクもあります。大変心配しています。

また、農林水産省消費・安全局農産安全管理課から2020年6月22日に公示され、意見・情報受付締切日 2020年07月21日にて行われたパブリックコメント「遺伝子組換えダイズ及びワタの第一種使用等に関する審査結果についての意見・情報の募集」について、日本豊受自然農として以下の意見(緑字)を提出しています。

提出意見 「遺伝子組換えダイズ及びワタの第一種使用等に関する審査結果についての意見・情報の募集」について

私どもは、静岡県と北海道で自然型農業に取り組む農業法人です。

いくつか、意見を申し上げます。

「農林水産省は、遺伝子組換え農作物の一般使用に関する承認申請(2件)を受け、 生物多様性影響評価を行いました。その際、学識経験者からは、生物多様性への影響 を生じる可能性はないとの意見を得ました。」とあります。

1. 両作物とも、除草剤 グリホサートとセットで栽培される作物です。グリホサートの使用が生態系、また人体の健康にも大きな悪影響を与えることが明らかになった現在、政府としてはそれとセットで栽培される遺伝子組み換え作物を承認すること自体、世界のトレンドを無視した時代錯誤で間違った判断だと考えます。

2020/6/25の日本経済新聞で「独バイエル、1兆円超の和解金で合意 農薬巡る訴訟で」という記事がでました。そこには、「医薬・農薬大手の独バイエルは24日、除草剤の発がん性をめぐる訴訟で、米国の約12万5千人の原告の大半に合計最大109億ドル(約1兆1600億円)を支払うことで和解したと発表した。原告側は、バイエルが18年630億ドルで買収したモンサントの主力商品だった除草剤「ラウンドアップ」の主成分に発がん性が疑われるとして提訴していた。18年8月に米カリフォルニア州で高額の賠償金の支払いが命じられ、原告の数が膨れあがった。バイエルは同製品は安全だとして争っていた。」という記事が掲載されました。除草剤「ラウンドアップ」の主成分がグリホサートであい、ドイツをはじめ約33の国は直ちにラウンドアップの主成分グリホサートの使用を禁止、規制等の措置を取ったと聞きます。今回未曾有の巨額な賠償金によるバイエルの和解は、ラウンドアップで癌になることを自ら認めたことに他なりませんが、このように人体にも環境にも安全性の疑義のあるグリホサートとセットとして栽培される2つの遺伝子組み変え作物の使用を認めること自体、時代錯誤であり、農薬としてのグリホサートの日本での使用を即刻禁止、さらに日本での除草剤としての生産・販売を即刻禁止すべきである。また、2017年にグリホサートの残留農薬の基準を大幅に緩和したことも世界のグリホサートの使用規制のトレンドと逆をいく農林省の時代錯誤の判断だと考えます。

少なくとも、グリホサートは、植物、土壌菌、腸内細菌などに存在するシキミ酸経路による活動を阻害するために、生物多様性に多大な影響を与えることは、疑いのない事実であります。

2. GMOの安全性は世界的に疑義があり、EU、ロシア、中国などがGM作物の栽培を禁止する中、特に、GMO作物の栽培は生態系への遺伝子汚染を引き起こすリスクがゼロでないこと、汚染されると取り返しのつかないこと、さらに、食品としてのGMOの安全性にも疑義があるため、100%安全と保証されるまで、作付けの承認をすべきでないと考えます。

遺伝子組み換え、ゲノム編集という自然の営みによっては起こりえない遺伝子配列を人為的に行なうことにより、遺伝子は多少であっても新たに開発された遺伝子組み換えへの汚染を広げていくものである。加えて、遺伝子組み換えの作物による遺伝子組み換えでない在来種等の品種への遺伝子汚染は広範に起きており、安全性に疑義があるため、EU、ロシア、中国を初め多くの国でGM作物の栽培を禁止している。

例えば、GM Watch(https://www.gmwatch.org/en/)という遺伝子組み換え作物やゲノム編集種子の安全性についてウォッチングをしているサイトでは、様々なGM作物による健康被害や生態系の影響についてのリスクを示す情報が掲載されており、大豆という主要作物はもちろんのこと、ワタについても遺伝子組み換え、ゲノム編集作物の栽培は、遺伝子汚染のリスクは明らかにあり、遺伝子汚染による生態系への影響、それを食する生物種(動物、植物、昆虫、菌類)への安全性が保証されない限り、作付けを許可すべきでないと考えます。もっと慎重に検討されてから結論をだすべきテーマであると考えます。

ゲノム編集種子、食品のリスクについては日本消費者連盟が公開している以下の動画ご参照ください。

https://www.youtube.com/watch?v=9gjTwpifNdE&feature=emb_title

Q.在来種を自家増殖している農業者が近隣の登録品種の花粉が交雑した種を採った場合でも、登録品種の権利者から訴えられるようになるのですか?

A.(農林水産省見解)種苗法及び種苗法改正法案で登録品種に権利が及ぶのは、登録品種とすべての特性が同じ場合です。農業者が栽培している在来種に登録品種の花粉が交雑して採れる種は、一般に登録品種と全ての特性が同じにはならないため、登録品種の権利は及びません。

(日本豊受自然農見解)

いいえ、これも事実と異なります。

すでに海外では、遺伝子組み換えの品種に花粉交雑を理由に、何件もの農家がグローバル種苗企業に訴訟を起こされ、破産した農家も多いです。

 先にも述べましたが、種子種苗は多様性があり、今回の法改正での特性表での見分けでは、見分けることが難しく、農家が訴訟されるリスクが高くなります。在来種 類似品種を登録のリスクもあり、この点、現行の種苗法改定案では、農家の在来種の農業を守ることはできません。

さらに違反の場合のぺナルティーが大きすぎます。農家、農業法人は、訴えられ、廃業するリスクを考慮すると、代々行ってきた在来種での自家採取・自家増殖の農業継続をあきらめなければならない事態にもなりかねません。

Q.いちごの苗を自らで増殖することができなくなるのですか?

A.(農林水産省回答)いちごは、農業者が増殖用の親株を購入し、それをさらに増殖(自家増殖ではない)した上で栽培される場合があります。登録品種であれば、このような増殖は現在も許諾に基づいて行われており、現行法でも種苗法の改正法案でも考え方は変わりません。

*通常、登録品種の増殖用の親株は、農業者が自分で栽培するための増殖が許諾された種苗として販売されています。

(参考2)いちごの増殖と自家増殖の考え方(PDF : 374KB)

→(日本豊受自然農見解)

いいえ これも詭弁です。

農林水産省の云う「通常、登録品種の増殖用の親株は、農業者が自分で栽培するための増殖が許諾された種苗として販売されています。」。

これは現行法下での育種権者と農家の取り決めでしかありません。種苗法改定後、この育種権をグローバル種子メジャーが持った場合にも、いちごの自家増殖については、「増殖が許諾された種苗」として販売されることを農林水産省として保障することができますでしょうか。まず法律での規制でもなければおk無理でしょう。もしそうなら、こういう重要な点こそ改定案に明記すべきです。

Q.知り合いの農業者が増殖したさつまいもの苗を譲ってもらうことはできなくなるのですか?

A.(農林水産省見解)さつまいもは、農業者が増殖用の種いもを購入し、種いもから「つる苗」を採って増殖(自家増殖ではない)した上で栽培される場合があります。

登録品種であれば、このような増殖は現在も許諾を受けて行われています。また、農業者が自分で増殖した登録品種のつる苗を譲渡することは、現行法でも許諾が必要な行為ですのでご注意ください。このことは、現行法でも種苗法の改正法案でも考え方は変わりません。

*通常、登録品種の増殖用の種いもは、農業者が自分で栽培するための増殖が許諾された種苗として販売されています。

(参考3)さつまいもの増殖と自家増殖の考え方(PDF : 411KB)

 

→(日本豊受自然農見解)農林水産省がホームページ「消費者の部屋 こどもそうだん 豆・麦・いも サツマイモの品種はどれくらいあるのですか。」で公表しているデータによれば、

https://www.maff.go.jp/j/seisan/tokusan/imo/attach/pdf/30shiryou-39.pdf

(上記農林省リンクより)

「2018(平成30)年に栽培されたさつまいもの主要品種は、約60品種の作付が報告されており。

品種別の作付けシェアは1位がコガネセンガン(21%)一般品種、2位ベニアズマ(19%)登録品種、3位高系14号(12%)一般品種、4位シロユタカ(10%)登録品種、5位べにはるか(10%)登録品種」と、上位5位のうち3品種が登録品種となっており、この3品種の栽培だけで栽培面積の39%を占めます。さつまいもの登録品種は40品種以上ありますので半数程度のシェアを登録品種が占めていると思われます。

種苗法改定 スライド年表

種苗法改正で登録品種を農家が自家採取・自家増殖した場合の罰則は、農家は1000万円以下、農業法人は3億円以下の罰金、10年以下の懲役、共謀罪の対象というのは、あまりに法外なペナルティーではないでしょうか。

1998年の種苗法が制定されるまでは、古来より農家が自由に行ってきた自家採種・自家増殖を行ってきました。

さらに登録品種が農林省の言うように影響がわずかどころではなく多くの農家に大きな影響を与える状況にあります。

このような状況を考慮しますと、種苗は農業に関わる大変重要な事項ですので、農林水産省はより正確な情報を開示し、農家にどのような影響があるのかを、まず、しっかりと説明する義務があると思います。その上でバランスのとれた解決策としての法改正を行うべきものと思います。

種苗の貸し借りは、風水害や飢饉などへの対応もあり、日本の農村では慣例的に頻繁に行われてきています。各地で種の交換会が開催されているように地域の農業をスムーズにまわしていくための潤滑油の役割も果たしてきました。今でも当たり前のように行っている農家の方も少なからずいると思います。そのため、ここまでの重い罰則をつけた法改正を今回行うというのであればそのことも周知徹底する必要と関連する多くの農家の状況やニーズをまずは確認すべきではないでしょうか。

ちなみに日本では1945年の終戦時、何百万にもの餓死まで懸念されましたが、これを救った作物の1つが、さつまいもでした。皆でつるを分け与え、全国の空き地、公園、校庭などでもサツマイモを植えて、飢えをしのいだ歴史もあります。今回新型コロナ感染で食料輸出を禁止した国も多くあります。このように自家採種をがんじがらめに規制していて、まさかの食糧危機などの緊急事態に、食糧自給率がただでさえ低い日本の生命の安全を飢餓から守れるのでしょうか。こういった危機管理を行うことが本来の政府や政治家、官僚の役割ではないでしょうか。

そもそも種子は、生命の源であり、さらに農家の権利であった、種子や自家採取に知的財産権を設け、権利化することを認めないドイツ他の国もあります。特に、食料安全保障で重要な主要穀類までも自家採取規制することは、食料危機への備え、食料安全保障からも国益、国民の利益に沿わない判断と思います。以下も参考に、ぜひ各国でも定められていますように農家の在来種の自家採取・自家増殖の権利を保障する法律もあわせて検討し、バランスのとれた種苗行政が日本でも行われることを切に願いますとともに、今回の種苗法改定案については、国内農家、消費者保護の観点からバランスを欠いたものとなっております。一度、廃案とし、国内農家や消費者を考慮し根本から種子種苗行政を再検討してもらうことを切に願います。

▼印鑰智哉さんのブログ「種苗法改正に関する農水省のQ&Aに一言」

http://blog.rederio.jp/commentsonpvpactreform

PDFグラフ こちらもわかりやすいです

https://drive.google.com/file/d/1Ojm5iYloI8L6VFfPxQlR7cFpJ1F8lTti/view?fbclid=IwAR2xDRyldNIRVvrHqXfpXzrKI-kQ_q0gCsq2Of7PnlbyFAxVvrcksTmMF3E

印鑰智哉(世界の食問題研究家)さんによる解説
種苗法改定法案の問題点 その1
種苗法改定法案の問題点 その2
わかりやすく解説した日本の種子を守る会のリーフレット

▼種苗法改正の問題点〜種子条例の意義と私たちが今後できること(山田正彦)

https://toyouke.com/tokyo2020/speaker/yamada_masahiko/

▼川田龍平参議院議員が5月13日 オンラインで緊急開催した「在来種保全・活用法案」記者会見に由井寅子代表が参加し自家採種を行う農家として質疑応答で発言しています。本Youtubeでは前半、印鑰智哉さん、堤未果さん、川田議員がわかりやすく種苗法改定案の問題点を解説しています。あわせてご覧ください。

https://www.youtube.com/watch?v=Niiol5UnpzA&feature=youtu.be&t=6960&fbclid=IwAR2Zpz2VDBMtGnnobim4SHAMpdSYa_u0Q12w-JrdWMzL8gP40WQqwo7LnIQ

▼超基本「種苗法改正法」 出演:鈴木宣弘(東大大学院教授)、山田正彦(元農水大臣)、川田龍平(参議院議員)、印鑰智哉(種を守る会アドバイザー)、MC:堤未果(ジャーナリスト) 2020年6月8日18時

https://www.youtube.com/watch?v=p-gFi_pE9fw

「印鑰 智哉のブログ」から「アルゼンチンの若者の叫び “出てけ モンサント”」
1人の農薬被害で子どもさんを失った農家のお母さんが立ち上がってアルゼンチンでは
米国大統領との調印も終わっていた南米最大となる遺伝子組み換え種苗や農薬の工場
建設がストップしました。
http://blog.rederio.jp/archives/2645

 

以下SHIFTに掲載されていた関連の内容を転載します。あわせて以下のリンクも参照ください。

スライド25-1

種苗法に違反した場合の罰則が重い点も、特徴的です。
10年以下の懲役に加え、1000万以下の罰金が併科されます。
※法人の場合は「3億円以下の罰金」

更に、共謀罪の対象ともなるため、関係者も罰せられることになります。
現在、地方でも行われる種子の交換会でも、参加した方が罰せられることになりますし、更に「準備行為」も対象となっていることから「話し合いに参加した」程度でも、罰則の対象となります。

これほど重い刑罰となると、農家、また関係者が萎縮し、開発者(企業)側にパワーバランスが傾くことが容易に想定されます。

スライド26

実は、種苗法改定は制定時から現在まで、定期的に行われており、自家採種禁止作物の数は年々増加傾向にありました。
ここ数年での増加は例年になかったペースであり、その総仕上げとして今年(2020年)に「原則、自家採種禁止」という、農家の権利を完全に無視した法改定がなされようとしています。

スライド27-1

ここから、農家や消費者、国家に起こりうるリスクをお伝えします。

まず、 自家採種禁止における、農家への影響として、農家のコスト負担が増えるようになります。
毎年「自家採種をしながら作物を育てていた農家」は、当然ながらタネを定期購入しなければなりません。
あるいちご農家では年間1000万の負担増。ウドの栽培農家では年間310万円の負担増(この方は米、麦、大豆等の主要農作物も自家採種であるため更に負担が増します)と言われています。
☆参考丨『タネは誰のもの〜種苗法改定で農家は?』ショート版

穀物類(米、麦、大豆など)を自家採種していた農家は、2018年に廃止された種子法廃止の影響で、企業米を買わざるを得ない状況になる可能性が高まります。
 ☆参考丨日本のお米が遺伝子組み換え&高級食材に – 種子法廃止が与える影響について –

いちご、イモ類、サトウキビ、りんご、みかん等は自家採種されることが多く、自家採種禁止による影響範囲の広さがわかります。

日本で自家採種をしながら農業を営む農家は多く、ただでさえ、日本は農家に対する補助金・助成金が少ない国であるにも関わらず、コスト負担の増す農家はどのように農業を営んでいけるのでしょうか。

スライド28-1

消費者に与える影響としては、(農家の負担するコストも増すため)私達の食品購入コストが上がることになります。
また、自然農法や有機農法の作物は自家採種のできる「在来種」と相性が良いため、使用頻度が高くなりますが、先述のように在来種を使うと訴訟のリスクが高まるとなると、それを行う農家も少なくなり、安心・安全な食材の流通が不足する可能性が高まります。

最後に、国家に与える影響を見ていきます。
もし、自家採種が一律禁止となった場合、国内農家の多くが、タネを企業から買うことになります。
それはつまり、このグラフの通り(国内の種苗会社は世界の種苗会社に比べると規模が小さいため)外資系企業に、自国の食生産の根源となる「タネ」を握られてしまうことになります。
有事の際に、日本国のみで食料安全や自給が確保できず、国家安全の問題にまで影響していくことがわかります。
海外の企業に自国の「食」をコントロールされる状態は、非常に危うい状態と言えます。

スライド30-1

世界では、自家採種を含めた農家の権利を守る流れが、活発になっています。

国際連合は「小農と農村で働く人びとの権利に関する国連宣言」において、自家採種を含めた農家の権利を強調し、EUでは2020年より有機栽培農家の自家採種が自由となります。
更に、ブータンでは、インドやネパール等、9カ国と条約を結び、自国で品種改良したタネを相互利用できるようにしています。
日本も批准しているITPGRにおいては、農民の権利として自家採種の原則自由を認めており、日本はこれを批准しているにもかかわらず、逆行した法改定に進んでいます。

これらの動きは「タネは本来、人類の共有する遺産であり、公共財である」ことを強調するものであり、日本が進もうとしている「自家採種一律禁止」を強調することが、いかに時代の流れに逆行していることかが、世界の動きをみてもわかります。

以下の表は、国内の善良な種苗開発企業の権利を守るため、「自家採種一律禁止」以外の解決策の方向性を示す例です。

種苗法ver2スライド-1

今回の種苗法改定案は「自家採種一律禁止では大手グローバル種子企業による独占リスクが高まる」ため反対なのであり「国内開発者の方を支援する」という志は同じであることを強調しておきます。
食料安全の意識が低く、自給率も低い日本において、国内開発者・農家の方を政府は一層優遇すべきです。手厚い補助金を開発者や農家にもっと出す必要があると考えます。
また「開発者と農家の方との直接契約による成果報酬」という道もこの動画のディスカッション(『種苗法改正について考えよう!』第2回フル ゲスト:元農林水産大臣 山田正彦氏https://www.youtube.com/watch?v=tg9J-1J2lgY)では示されています。
向けるベクトルを「開発者VS農家」という分断に持っていくのではなく「開発者&農家」の共生の道を試行錯誤して探していくべきであり、国家がその食料安全・保障の観点から実際の補助金などを通して、責任を持ち、進めていく必要があると考えます。

 スライド6-1

ここまで聞くと「開発者への知的財産権の話ね」と納得されるかもしれませんが、そこには常に疑問が投げかけられていました。
特に、農家サイドからは「そもそも、空気や水のように共有財産であるはずの種苗に、知的財産権を認めるのはおかしい」という声も多く、議論が絶えませんでした。

スライド7-1

このように、開発者からは「知的財産権」が強調され、農家からは「タネは公共財であり皆のものである」と強調されるため「開発者(企業)と農家の権利をどうバランスさせるのか?」という点が、種苗法制定時の大きなポイントとなりました。
そこで種苗法では、開発者と農家のバランスをとる形として、開発者側には、開発した種子の独占権を与えることに加え、農家などのタネの購入者は、その種子を販売・転売することを禁止としました。
反対に、農家には購入した種子を転売・販売することを禁止するが「タネを再利用(自家採種)できる」よう認めることで、バランスをとってきました。

スライド8

しかし、ここまで開発者と農家の権利のバランスをとってきた種苗法を、2020年の種苗法改定案においては「農家の自家採種を原則、一律禁止とする」ことが検討されており、大きな問題となっています。
これまで開発者と農家の「権利のバランス」をとってきた種苗法が大きく、開発者側へ有利な法律として、改定する法案として国会で成立がめざされています。

そもそもグローバルな種苗メジャーな、種の開発者は人類の健康と幸せのためにやっているのか? 残念ながらそれはないでしょう。その企業の利益のために、自然を利用して、遺伝子組み換えやゲノム編集など不自然な種子をつくって、種苗を握ることで各国の農家、農業、食を支配していこうという思惑があるのではないでしょうか。

一連の主要農作物種子廃止、農業競争力強化推進法、今回の種苗法改定の背景には、グローバル資本の利権が国家の主権に優先するTPPなどの問題の多い国際条約が働いていますので、この部分の問題から、国民が声を上げ、変革していかなければならないのではないかと考えています。