5月13日 午前の様子

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島原住吉神社参拝

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今年もシンポジウム開演前には、この場所でシンポジウムを開催させていただくための土地の神様への挨拶と、大会の成功と安全を願って、大会長、運営スタッフ全員で近くの島原住吉神社に参拝しました。

島原住吉神社の御祭神の1つは、宇迦之魂命(うかのみたまのみこと)。うかたまともいわれ、日本では八幡さまとともに多くまつられている渡来人の秦氏が祀ったお稲荷様の神様。五穀豊穣の神であり、農業と食のシンポジウムにもぴったりの神様です。そして、底筒男命(そこつつおのみこと)、中筒男命(なかつつおのみこと)、表筒男命(おもてつつおのみこと)、息長足姫命(おきながたらしひめのみこと)が御祭神となります。かつての神仏習合の思想では、それぞれ、薬師如来(底筒男命)、阿弥陀如来(中筒男命)、大日如来(表筒男命)とされていたそうで、仏様としての方が私たちに馴染みのある神仏です。

第7回 日本の農業と食シンポジウム
「種子が大事-日本の食の安全と、農林業の未来への提言 Public seed 種は皆のもの-」開催

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東日本大震災の翌2012年以降、自然型農業からに農業と食、そして日本の復興を願って毎春開催してきました「日本の食と農のシンポジウム」も今年で7回目を迎えます。

会場である京都リサーチパークでは、日本豊受自然農をはじめ、主催・協賛各団体がシンポジウムに合わせブース出展し、農場の野菜や、加工食品、化粧品や書籍などの販売、事例・症例展示、健康関連の体験コーナーなどを設け、お祭りムードを盛り上げました。本日は朝早くから、スタッフ、ボランティアの皆さんが集まり準備に参加し、裏方としてシンポジウムを支えています。

開場時間になると、全国からのご来場者の方の列が出来、開演時間にまでに多くの方が集まりました。

いよいよ第七回「日本の農業と食のシンポジウム」がスタートしました。
今年のテーマは、「種子が大事 -日本の食の安全と、農林業の未来への提言 Public seed! 種はみんなのもの-」です。

サイエンスホール前方の壁には、豊受大神、天照大神、木の花の咲く耶姫様のタペストリーが掲げられました。舞台は、豊受の畑から収穫された野菜、ハーブ、樹木など自然なオブジェで飾り付けられました。

「種子が大事!」今年は生命の源となる自然な種子(たね)がメインテーマ。在来種、固定種、自家採種など自然な種子からの自然農、六産業化に取り組む豊受自然農からも日本の農林業の未来、そして食の安全などへの解決策を社会に提案するシンポジウムとなりました。

前日にプレイベントとして南米のドキュメンタリー映画「種子(たね)みんなのもの?それとも企業の所有物?」の上映会も開催されましたが、世界では、農民が種をとり、種を保存する伝統的な農業に対し、遺伝子組換えやF1種の種子などを展開するグローバル種子メジャーが種子に生命特許を主張、自家採種を規制することで国際的には農家と企業の間で大きな対立が起こっている中で、日本でも3月末に戦後、都道府県が米、麦、大豆などの種子を農家に安定供給する役割を果たしてきた主要農産物種子法が廃止されたり、種苗法で農家の自家採種が規制される方向の改正がなされるなど、自然な種子、自然な農業、食の安全などへの関心が高まる中での開催となりました。

こういった中で、日本の種子(たね)を守る会顧問で元農林水産大臣を務めた山田正彦弁護士、「遺伝子組換えルーレットの日本語版制作の発起人であり、世界の食と農の問題をフリーの立場で研究する印鑰智哉さん、女優として活躍され、タネを守る活動にも熱心な杉田かおるさん、古来から様々な難局を乗り越えてきた日本の知恵を現代に浮き上がらせる国史研究家の小名木善行さん、日本における食の安全についての消費者運動を立ち上げてこられた「食政策センター ビジョン21」代表で日本有機農業研究会理事の安田節子さんなど、この分野で様々な実践と解決策をお持ちの来賓講師の皆さまを迎え、大会長の由井寅子代表を含め、豊受自然農が主催のイベントで、大切なテーマを社会に対し発信する大変重要な使命をもったシンポジウムとなりました。

司会・進行は、京都のシンポジウムではお馴染みとなりましたフラワーエッセンス研究家の東昭史さんが今年も担当。最初に、国歌「君が代」斉唱が行われました。

大会長挨拶、太鼓、地球回し

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まずは、日本豊受自然農代表、由井寅子大会長より開会の挨拶です。

由井大会長が農業を始めた理由の一つとして、ホメオパシーの相談会で、アトピーや電磁波過敏症のクライアントさんなどの難病の方々の病気の背景には食の問題があったこと、ホメオパシーだけでなく食を自然なものに変えることで大きく改善が見られ、食の大切さが分かったということでした。

自然な植物、作物、神様が決めた形を遺伝子組み換えという形で人間がおかしくして良いのだろうか?自然でできたものをいじらずに、命そのものの状態がベストだと思うこと。日本の力が強くなるために、今日は皆で問題点を考えながら、そして解決法としてどうしたらいいかをお話ししたいと思います! 高らかに開会の挨拶が行われ、参加者全員での地球ボール送りも今年も行われました。

※本日の由井大会長の開会挨拶、印鑰智哉さんの来賓講演、由井大会長の基調講演は、昨日の「種子 みんなのもの?それとも企業の所有物?」の上映記念トークに引き続き、とようけチャンネルにてYOUTUBEライブ配信されました。

来賓発表:
印鑰 智哉氏(世界の食問題研究家)
『変わり始めた世界の食、そして日本の現在』

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日本の種子(たね)を守る会事務局アドバイザーの印鑰智哉さんからは「種子をめぐる世界の動きと日本」をタイトルに講演をいただきました。

まず、私たちの食が危機に瀕している。もう一度原点に戻る必要があるとして、この地球は微生物の星であり、微生物と植物の共同作業で豊かな土壌が地球に育まれ変わったこと。しかし、戦後、化学兵器の技術が民間転用され、化学肥料と農薬が登場。一時的に生産性は上げるかにみえたものの、長期的には土壌を破壊し続けており、このままではあと60年で世界の土壌が失われ、地表に岩石だけが残る星になると科学的な試算を出している現状などが伝えられました。

この大きな原因の1つとして、農薬、化学肥料にあると指摘。戦後、化学肥料と農薬、種子を3つにセットして売り込む工業型農業が広がり、1996年以降の第2次「緑の革命」から遺伝子組換え農業が始まった事。米国で遺伝子組換えされた作物に特許が認められた歴史的経緯。種子・農薬市場の独占化の動き。さらに「モンサント法案」と呼ばれ、世界の農家から種子を取り上げ、種子を保存したり、共有することを犯罪とし、毎回種子企業から買わせる法案、それを強いるUPOV1991年条約に触れ、このモンサント法案がラテンアメリカで、農民とグローバル種子企業の間で大きな対立を引き起こしたこと。日本では、既に1998年にUPOV1991年条約を批准し、今回も種苗法を改正されたことから、このまま見過ごせば自家採種を禁止する流れにあることを警告。自家採種できる種子を守っていくことの重要性を訴えた。

大規模な農業が効率的で未来の農業と短絡思考されがちだが、国連では「小農民よ地方で働く人びとの権利宣言」制定の動きがあり、むしろ小規模・家族農業が逆にこれからの国際的トレンドとなっている点なども説明した。また、アメリカでは遺伝子組換え作物の普及と共に、糖尿病や自閉症、セリアリック病などが急増しており、健康リスクについての注意喚起もなされた。

来賓発表:
杉田 かおる氏(女優、タレント)
『種が大事!自然農や自然な生き方について』

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杉田かおるさんは自然農を松尾靖子さんから学び、その後映画「よみがえりのレシピ」をきっかけに山形大学の江頭先生と出会い、そして自然農を実践されている寅子先生と巡り会えたということでした。

震災で多くの命が亡くなり悲しみに暮れていた時に自然農を通じて命の尊さを知ったという杉田さんは寅子先生と出会い、そこで改めて自然農、種についての素晴らしさを感じ、この出会いに感謝されているということを涙を流しながらお話ししていただきました。

杉田かおるさんから豊受に提供していただいた最上紅花の種が、函南農場である程度収穫ができるようになり、今年発売される豊受自然農のファンデーションとチークが供給できるようになったことが紹介されると会場の皆様もとても期待されているようでした。

事例発表:
日本豊受自然農スタッフ
『自然型農業から日本の農業復興への挑戦』

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日本豊受自然農代表の由井寅子大会長ほか、豊受メンバーが壇上に上がり、在来種、固定種、自家採種の自然型農業や六次産業化も含めて取り組んでいる様子が伝えられました。

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米丸輝久氏
日本豊受自然農の北海道・洞爺農場リーダー、米丸輝久氏が、自然な種を使ってどのようなサイクルで栽培をおこなっているか、一年を通じた活動の様子を発表しました。

冒頭、農場風景の映像が紹介され、季節の花々やハーブの広がる丘、ゆたかな湧水、夏恒例の農場ツアーで賑わう様子などが映し出されました。(今年の洞爺ツアーは、8月4日、5日開催予定です)

丘の斜面の原野を一から開拓して始まった洞爺農場の活動も10年を超え、今や一年草、多年草、ジャガイモ、自生の植物など、ハーブ類を中心に多くの植物が育つようになっています。洞爺農場は平均気温が低く、1年のうち3カ月間は雪に閉ざされ、農繁期は4カ月ほどしかないという農業には厳しい条件ながら、温室を利用した育苗など植物に合わせた細やかな工夫を重ねて徐々に収量を上げてきました。

「自家採種を何年も続けていくことで植物自身がその土地に適応していく」と米丸氏。厳しい自然環境での栽培は当初はまったくうまくいかなかったそうですが、それでも何とか取れた種を翌年蒔くことを年々繰り返すうち、だんだんと良い作物がとれるようになっていったそうです。

良い種を選んでおくと、その性質が次世代に引き継がれ、土地に適応した良い作物を実らせるようになる......これは年月をかけた体験がもたらしてくれた智恵。周りからは「野菜を作っているのに食べずに種を取るだけ?」などと言われながらも地道に続けた取り組みが、まさに実を結びました。米丸氏はまた「固定種には個性があって、まったく同じ育て方をしていても味や形に違いが出る」とも。固定種のスイカには、甘さだけではない、なんともさわやかな美味しさがあって、数値ではあらわせないその風味こそ固定種の魅力だといいます。「農薬や化学肥料を使わなければ作物が育たないというのは、そういうものの助けを借りなければ育たない植物を育てているから」「自家採種のよいところは、自然に逆らうのではなく、自然に淘汰されながら植物自身が自らの力で環境に順応していこうとするところ。これこそが環境に害のない持続可能な農業」と語りました。

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吉田誠氏
静岡六本松農場で農業部リーダーを務める吉田誠さんからは、遺伝子組換えはもちろんF1種などの不自然な種は使わず、在来種、自然な種での自家採種、さらにくぬぎ落ち葉発酵堆肥など土づくりを重視した自然型農業で主要穀類(米、小麦、大麦、はと麦、大豆)、野菜、果樹、ハーブなど100種類以上の農産物の栽培、また食品加工、化粧品加工、グループ内での農場の農産物をメインにつかった自然食レストラン展開や店舗、インターネットモール通販、イベント開催など、グループあげて六次産業化に取り組む六本松農場の活動について紹介がありました。

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小林且幸氏
大豆、麦担当、そして豊受自然農の野菜で育てている牛の日本花子のお世話係でもある小林且幸さんからは、六本松農場で取り組む大豆栽培の取り組みを中心に発表しました。くぬぎ発酵堆肥、ハーブ、ホメオパシーのレメディー、自社開発のアクティブプラント、麹菌や森のミネラル、様々な土壌菌なども活用した土づくり、また自然農での除草などを通じて栽培している中での体験についての発表となりました。豊受では、在来種の中でも自然で、健康によい種での栽培に取り組んでいます。六本松農場でも、6~7年目で在来種の大豆・福豊は、豆腐、みそ、しょうゆづくりなどでは自給できるようになりました。小麦も食物アルレギーなどの出にくいωグリアジンを含まない緑の革命以前の農林61号という品種での栽培を行っています。また黒豆は栽培に苦労しており、種子は保存や乾燥などでも様々学ぶ部分があります。豆類では小豆・大納言などの栽培にも取り組んでいます。1農家での自家採種には取り組んでいますが、大豆、麦類などは、気候などにも影響され収穫が良い年、悪い年もあり、1農家だけでの自家採種では、種とりがうまくいかなかった場合、どうやって種子を確保するのかなども含め、都道府県で種子を育てている機関や、地域で自家採種する農家での協力などが必要な部分もあります。

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吉野艶子氏
1昨年からの入社で米作りを担当している吉野艶子さんからは、「幻のお米「朝日米」を育てて」というタイトルで、昨年の収穫で、用賀の豊受オーガニクスレストランへの供給や玄米、分づき米などの店頭販売を含めて、やっと自給ができるようになった六本松農場での米作りについての発表をしました。自然農栽培忍耐づよい除草との戦いでもあります。種もみ、まず発芽にアクティブプラントをつかっていること、自然栽培での草取りでの農機具の工夫など1年間の米作り体験についての発表となりました。六本松農場ではいくつかの品種での米作りに取り組んできましたが、江戸時代に西日本を中心に栽培されましたが収穫時に実が落ちてしまいやすく、機械化農業での収穫に難もあったため、現在は岡山県などで少ししか作られていない稀少価値のある品種であり、もち米系との交配ないうるち米種では唯一流通している朝日米の栽培について発表をしました。もち米と交配すると美味しいのですが、血糖値などが上がりやすいので朝日米のような高アミロース米が注目されています。お昼に提供された豊受あじわい弁当も六本松農場の朝日米でのご飯を体験いただきました。

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宮田将吾氏
豊受自然農では、由井代表の方針のもと、日本の農業を元氣にするモデルケースとなるように、1農家で自立して、若者の新規雇用もでき、給料も払え、食べていけるように食品加工や化粧品加工も含めた六次産業化にも熱心に取り組んでいます。農業部所属で野菜の栽培なども担当していますが、豆腐、みそ、レトルト食品をはじめ食品加工も手伝っている宮田将吾さんから、六本松農場の食品加工の取り組みについて発表がありました。

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由井大会長
豊受自然農がやっている事は昔ながらの農業。そして、農業から販売までを包括的に行う6次産業化。これによって豊受自然農は農家でありながら収益を出している。豊受自然農のような取組みが日本でもさらに広がれば、農業や食の問題解決につながると心強いメッセージが送られました。

○会場では自家採種の種も配布されました。
会場内の豊受自然農ブースには、紹介されたハーブや野菜の自家採種の種がバラエティ豊かに並び、寄付頂いた方には、これらの種が分けられました。

【配布された六本松農場自家採種の種】
のらぼうな、かぶ菜、黒ゴマ、うら紅紫蘇、黒田五寸、アマランサス、ジニア、コーンフラワー、まくわうり、朝日米、農林61号、大豆福豊など

※この他 洞爺農場のハーブ、野菜の種も配布されました。

来賓発表:
小名木 善行氏(国史研究家)
『古来から食、農業、森林を大切にしてきた日本人』

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「ねずさん」としてブログ、書籍などで有名な小名木善行さんからは、本日が母の日ということで、「おかあさんありがとう」と、とらこ先生へ向けてメッセージとともに、母親への感謝をキーワードに発表が始まりました。

日本は世界で最古の時代、磨製石器がつくられ、世界の文明の発祥地域であることが紹介されました。磨製石器の時代に世界各地でも神話がつくられたとされています。小名木先生からは、新石器時代と縄文文化、および神話との関係、神話が後世の我々に訴えようとしていることは何かを解き明かしていただきました。日本が長い間自然と共存し、自然の中で対話をしてきました。実は『農業の大切さ』を神話の中で訴えていたことを明かされ、そのこととの関係で、古事記のなかなどで語られる天孫降臨との関係、そこから現在の日本の問題点等について大変刺激的なお話でした。

また、「よろこびあふれる楽しい国にしよう!」我が国の「古代」に言われた言葉であることが紹介されました。

またイザナギとイザナミの二神は、そのように語り合ってオノゴロ島を創り、そこに舞い降りて我が日本の国土を生み、私達の祖先となる神々を生んだことを解説。また、日本からは武器で使用した石器が発掘されていません。私達の国は、そもそものはじまりが「よろこびあふれる楽しい国」の建設にある点、そして一部の人達だけでなく民の誰もが、豊かに安心して安全に暮らせるようにしていこう。そのためには、互いに奪いあうのではなく、みんなでわかちあい、誰もが安心して安全に食べられる作物を安定的に作っていこうということが、私達の国が持つ神話の物語である点が紹介され、私達の祖先が目指した本来の日本の形を示して頂きました。また、体験談ではシラス統治や、ペルー・アイマラ族のシャーマンの生きるルールなどのお話も紹介され、かつての知恵からにもう一度学び直してみませんか?という問いかけを含めた発表となりました。

事例発表:
東 昭史氏(フラワーエッセンス研究家)
『日本原産の植物をフラワーエッセンスから考える』

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フラワーエッセンスはイギリスの医師、エドワード・バッチ博士が、1930年代に開発した植物療法です。

現在、東先生により、日本の植物でフラワーエッセンス(ファー・イースト・フラワーエッセンス)の研究開発が進められています。東先生の発表は日本で絶滅の危機に瀕している植物たちを紹介し、水と共に生きて来た日本の植物が絶滅することは日本人の原風景が失われかけているということ、この現状から水や環境、自然に対する畏敬の念や感謝の気持ちを大事にしてほしい、そのためにも植物との繋がりを深めるフラワーエッセンスを使うことで植物の目に見えない本質を自分の中に甦らせましょう、というメッセージを送られました。

現在研究している日本の花のフラワーエッセンスからツボスミレ、アヤメの植物のエッセンスの紹介をしていただきました。東先生の植物たちへの愛が伝わる発表になりました。

昼食、出展ブースの様子

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