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「モンサントが農民から種を奪う」 日本の種子を守る有志の会 印鑰 智哉さん

【印鑰 智哉様 月刊「日本」様の厚意により、記事全文を転載掲載させていただきます。】
種子法廃止法案成立で緊急特集が組まれた月刊「日本」2017年5月号。その特集「おコメが食べられなくなる!!」に、昨年の京都シンポジウムに登壇いただいた印鑰 智哉さんの記事が掲載されています。
ラテンアメリカやアフリカの状況と比べても、いかに日本の自然な種を守る農業、安全な食が危機に瀕しているかがよくわかる論説です。日本の無関心は世界にも大きな悪影響を与えます。ぜひお読みください。
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「モンサントが農民から種を奪う」
   日本の種子を守る有志の会 印鑰 智哉  月刊「日本」2017年5月号特集「おコメが食べられなくなる!!」から転載
農民から種を奪うモンサント
---印鑰さんは、種子をめぐる世界的な動きをウォッチしてきました。
印鑰 現在、日本で強行されている種子法廃止の動きは、世界的に起きている「農民から種を奪う」動きの一環です。
 途上国では8割以上の農民が自分たちで種を持っています。モンサントから種子を買わなくても農業ができるのです。モンサントなどの種子企業は、こうした状況を打破しようとしているのです。2009年3月、モンサントなどの遺伝子組み換え企業や製薬企業などのバイオテクノロジー企業によるロビー段団体BIOは、米国通商代表部にTPPに関する要求書を提出しています。その1つに、「種子企業の知的所有権優越の遵守を規定するUPOV1991年条約の批准を義務付けること」が盛り込まれていました。
 1991年にUPOV(植物の新品種の保護に関する国際条約)が、全植物の遺伝子から細胞、個体に至るまでが企業の特許になるように改正されたのです。
 つまり、種子は種子企業の知的所有権物であり、それを勝手に農民が許可なく保存することは知的所有権違反であり、犯罪行為ということです。政府に登録されている種子以外を使って農作物を作って売ることが禁止され、実質的に、農民は毎回種子企業から種子を買わなければならない、あるいはライセンス料を支払わなければ種子を保存してはならないという体制にすることをBIOは要求しているのです。
 実際、TPP協定にBIOの主張はそのまま書き込まれ、知的所有権について定めた第18条は、参加国にUPOV1991年条約批准を義務付けているのです。
 日本はすでに1998年にUPOV1991年条約に署名しましたが、実施の面では曖昧な状態が続いていました。ところがいま、日本政府は自ら種子法廃止によって、頓挫したTPP条項を実行しようとしているのです。現在交渉が進められている東アジア地域包括的経済連携(RCEP)にもTPPと同様の条項が盛り込まれています。
ーーー世界各地で農民から種を奪う動きが進んでいます。
印鑰 ターゲットの1つになっているのが、アグリビジネスにとって最後のフロンティアと言われるアフリカです。化学肥料+農薬+F1(’交配種)種子をセットとする「緑の革命」は世界に広められ、伝統的農法から農民を引き離し、アグリビジネスへの農民の従属を生み出していきました。しかし、その「緑の革命」もアフリカには容易に浸透できていません。
 アフリカではコミュニティが営む伝統的農業がまだ健在で、小規模生産者を国際的に支援するNPOによれば、8割の種子は小規模生産者自身が管理しています。
 そこで、先進国やビル・ゲイツ財団などが、アフリカ諸国に様々な圧力をかけ、種子を農民から奪おうとしています。すでに、2014年7月にはアフリカ17ケ国が加盟する知的財産機関がUPOV1991条約に加盟しています。
 モザンビーク政府が、それまで自由に無料で配布されていた種子の配布中止を決めたと報じられています。また、ガーナ政府がモンサント法案を成立させようとしています。
種子戦争に勝利したラテンアメリカ諸国の農民
ーーーラテンアメリカも種子戦争の主戦場となっています。
印鑰 ラテンアメリカでも多くの農民が伝統的な農業を行い、種子は自分たちで保存し、交換してきました。
 種子企業の意向に沿って、各国政府は農民に種子を保存させることを犯罪とする法律を制定しようとしていますが、憤った農民の反対運動によってそれはことごとく阻止されています。
 メキシコでは、2012年に、農民に種子を保存させることを犯罪とする法案が提出されました。ところが、「モンサントの農民支配をもたらす」として反対運動が燃え上がり、法案は廃案になりました。
 ほぼ同じ内容の法案はチリでも上程され、2013年に上院を通過しました。しかし、全国的な反対運動によって2014年廃案に追い込まれました。コロンビアとグアテマラでも同様の法案が成立しましたが、農民の怒りが爆発し、コロンビア政府は法の実施を2年間凍結、グアテマラでは憲法裁判所が違憲判決を下して、議会も法律を撤廃しました。
 チリでもほぼ同様の法案が下院を通過し、UPOV1991条約も同時に署名かという事態になりました。しかし、広範な反対運動によって、2014年3月に法案廃案となり、UPOV1991条約の署名も見送られました。
 ベネズエラでは遺伝子組み換え種子を禁止し、農民の種子を独占・私物化することを近日法律が制定されました。
 日本が種子法を守るということは、日本の農民だけではなく、アジア諸国の農民、世界の国々の農民の権利に関わることです。世界の農民の権利をも守っていかなければ、私たちの食料は一部の企業に独占されてしまいます。
 いま世界で植物に様々な問題が発生しています。根本的な対応には伝統的な種子の力が不可欠です。また、種子が農民の手から奪われる時、その多様性もまた失われます。種子の多様性を保つことは気候変動などへの対応に欠かせないものです。

つまり、種子を守る戦いは、健康面でも、環境面でも、極めて大きな意味を持っているのです。(聞き手・構成 坪内隆彦) 引用終わり

自然な種、自然な農業、安心安全な食、心と体の健康へ 上映会やセミナーを開催します。 詳細は以下イベント予定をご確認ください。 http://www.homoeopathy.ac/event.html march-against-monsanto-696x350

▼5月20日 世界数百都市の人々が自然な種を守るために立ち上がる マーチ・アゲインスト・モンサント上映会 東京、札幌、名古屋、大阪、福岡で同時開催 http://www.homoeopathy.ac/11reserve/20170520_nongmo.php